成長戦略

2010年3月15日

 *このメールは当社社員が名刺交換をさせて頂いた方、およびメールマガジン
 配信に同意いただいた方へ配信しております。
 *このメールマガジンは、等幅フォントで、ご覧頂くことをお薦めします。

  配信停止を希望される場合は、下記アドレスへご連絡をお願いします。
  → 配信停止連絡先  tech@awapaper.co.jp

  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ┃                                                                
 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
 ┃                    vol.63 【 2010/ 3/ 16 】        
 ┃                                        
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  http://www.awapaper.co.jp/ 
 ┌──┐
 │目次│   
 └┬─┘      
  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] 「LED Next Stage 2010」とくしま産業振興機構ブース
  │          にLED放熱対策研究会メンバーとして出展
  ├ 03:[二 ュ ー ス] 阿南6ヶ月ゼロ災運動達成証を授与される
  ├ 04:[二 ュ ー ス] 当社社長が徳島クラブ例会にて講演
  ├ 05:[シ リ ー ズ] 微生物と感染症(第6回:驚異のウイルス)
  ├ 06:[シ リ ー ズ] 水の時代(第10回:ミネラルウォーター)
  └ 07:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第12回:セレンディピティー)
 
                       
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■  ご 挨 拶 ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  成長戦略
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                                    取締役社長 三木康弘


 「雪が解けると何になるか?」勿論水に成るわけですが、「雪が解けたら春
になる」という答えもあるそうです。そう答えられる感性を大事にしたいもの
です。昨年からの凍り切った景気状況も少しずつ解け出し、満開の桜を夢見る
このごろです。

 国も企業も来年度の予算計画が決まる時期と思いますが、成長戦略抜きには
成り立ちません。エネルギーや環境問題などをいかにプラス思考に置き換えら
れるか、そして行動のエネルギーに変えられるかが、重要になってきたと思っ
ております。今般打ち出された政府の温暖化対策法案も、前提条件付きという
玉虫色の方針では国民も一丸となれず迷うばかりです。成長戦略に組み込み技
術イノベーションを起こす支援を明確に打ち出して欲しいものです。

 お取引先様との話の中でも、10年後の世界に花が咲きます。エンジンはどう
なっているのか、燃料は、食料は、水資源は…。2012年には、白熱電球等一部
照明の製造・販売がEUでは中止、国内でも中止する方針が打ち出されています。
(※)徳島県ではLEDバレイ構想のもとLED照明の研究がおこなわれていますが、
当社もLED応用製品放熱対策研究会に所属し開発に取り組んでおります。
 先般おこなわれたLED照明の総合展示会「LED Next Stage 2010」にも、LED
照明普及の鍵とも言われる放熱分野で開発商品を出品いたしました。

(LEDバレイ構想)⇒ http://led-valley.jp/

(「LED Next Stage 2010」にLED放熱対策研究会メンバーとして出展)
 ⇒ http://www.awapaper.co.jp/company/news166.html

 地球環境保全に繋がる成長市場に、阿波製紙は素材を活かした機能紙・不織
布の共同開発メーカーとして積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

※2008年4月経済産業大臣表明「2012年末までに白熱電球の生産と販売を自主
 的に中止するように電機メーカーなどに要請する方針」により電機メーカー
 各社が生産の縮小・中止を発表。



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■ 今月のトピックス ■
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 │■ トピックス 1 「LED Next Stage 2010」とくしま産業振興機構ブース
 │         にLED放熱対策研究会メンバーとして出展
 ├─────────────────────────────────
 │平成22年3月16日(火)
 │ 当社は、3月9日(火)~3月12日(金)に東京ビッグサイトで開催されま
 │ した「第3回LED Next Stage 2010」とくしま産業振興機構ブースにLED放
 │ 熱対策研究会のメンバーとして出展いたしました。
 │ → http://www.awapaper.co.jp/company/news166.html
 └─────────────────────────────────

 │■ トピックス 2 阿南6ヶ月ゼロ災運動達成証を授与される
 ├─────────────────────────────────
 │平成22年3月4日(木)
 │ 当社阿南工場は、阿南地方労働基準協会が実施しました「阿南6ヶ月ゼロ
 │ 災運動」に参加し、6ヶ月間無災害を達成いたしました。
 │ → http://www.awapaper.co.jp/company/news165.html
 └─────────────────────────────────

 │■ トピックス 3 当社社長が徳島クラブ例会にて講演
 ├─────────────────────────────────
 │平成22年2月22日(月)
 │ 当社社長三木康弘は、2月15日に日本プレスセンターで行われました徳島
 │ クラブ例会にて「水資源・環境問題への取り組み」について講演いたし
 │ ました。
 │ → http://www.awapaper.co.jp/company/news164.html
 └─────────────────────────────────


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■ シリーズ ~微生物と感染症~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  ~ 第6回:驚異のウイルス ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                      取締役常務執行役員  濱 義紹


 近年の新興感染症の原因は、前回述べたとおり原虫、細菌、ウイルス、プリ
オンと多岐にわたっているが、ウイルス起因のものが極めて多く、感染力が強
く、毒性が高いものが多い。
 近年のウイルスの活動があまりにも人間に被害を及ぼしてきたため、ウイル
スは“脅威”と捉えてしまいがちだが、今回は人類の進化にも大きな影響を与
えたと言われているウイルスについて、“驚異のウイルス”というテーマで取
り上げる。

【生物の分類】 
 生物の世界は動物界と植物界と微生物界から成り立っている。眼に見えない
微生物界は次の生物群で構成されている。
(1)真菌    -  キノコ、黴、酵母
(2)原生動物    -    アメーバ、ゾウリムシ 等
(3)バクテリア  -  黄色ブドウ球菌、ピロリ菌 等

【バクテリア】 
 ヒトが約500万年前に誕生したのに比べ、バクテリアは生命の誕生の初期で
ある約38億年も前に誕生したといわれている。ちなみに植物は約30億年前、恐
竜は約6500万年前に誕生したといわれている。
 人間の細胞は60~100兆個から成り立っている。その人体には100兆個のバク
テリアが存在する。

【バクテリアの感染】
 バクテリアはヒトの目、口、耳、鼻、肛門、尿道、皮膚といった全身の孔と
いう孔を入り口として侵入する。感染経路としては、直接感染と間接感染があ
る。直接感染には接触感染と飛沫感染がある。
 バクテリアによる感染例としては、ベロ毒素を排出しリボソームと結合して
蛋白質を作れなくするO-157、ヒアルロニダーゼによりヒアルロン酸を分解す
る黄色ブドウ球菌などがある。

【バクテリアとウイルスの違い】
(1)バクテリア
   バクテリアは遺伝子DNA、細胞壁、細胞膜、リボソームから成り立ち、
   外から栄養を取り込んで必要なタンパク質、脂質、核酸に作り変えるこ
   とにより生命活動を行っている。
   バクテリアの大きさは数μm(1~10μm)であり、ヒトの細胞が数10μm
   であることに比べてかなり小さい。

(2)ウイルス
   生体細胞ではDNAが遺伝情報を担っており、RNAはDNAの情報を読み取っ
   てタンパク質を合成する役目を行っているが、ウイルスはバクテリアと
   異なり、DNAかRNAのどちらかの遺伝子情報しか持っていないため、生命
   活動ができない。
   ウイルスには細胞がないのである。増殖のためには他の生物の細胞を利
   用している。
   例えばヒトインフルエンザウイルスは人間の呼吸器官の細胞にすみつき、
   トリインフルエンザウイルスはカモ類の腸管の細胞などにすみつくので
   ある。
   大きさはバクテリアの10分の1位しかなく、100~150nmの大きさである。

【ウイルスは進化の立役者】
 生物はウイルスと共に進化してきた可能性があり、現在の豊かな生物界をつ
くりあげた影の立役者ではないかとも言われている。
 DNAが自分の複製を作って増やしていく「レトロトランスポゾン」が下記
(1)~(4)の時代に生物の大きな進化の過程で爆発的に増加していること
が確認されている。

(1)20~15億年前  
   原核生物(核のない生物)から真核生物(核のある生物)へ
(2)9億年前  
   単細胞生物から多細胞生物へ
   無脊椎動物から脊椎動物へ
(3)5億年前  
   無顎類の出現
(4)5~4千万年前  
   他の哺乳類から広鼻猿類へ

 ウイルスの中に宿主の細胞のDNAに自分の遺伝子を入り込ませて増殖する「レ
トロウイルス」という種類があり、ヒトやウマのDNAの中にウイルスが持ち込ん
だと考えられる「内在性レトロウイルス」と呼ぶ遺伝子があるため、ウイルス
が生物進化に大きくかかわったことが推測されている。


【いろいろなウイルス】
 現在確認されているウイルスの種類の代表的なものとして次のようなものが
ある。
(1)ヒト免疫不全ウイルス
   免疫の仕組みを破壊する代表的なRNAウイルスである。
   もともとは霊長類を自然宿主とするサル免疫不全ウイルスである。
   発症した場合の症状はエイズと呼ばれているものである。
(2)バクテリオファージ
   大腸菌などの細菌に感染するウイルスである。
   細菌の中にDNAを注入し破壊してしまい無くなってしまうため、バクテリ
    オ(=細菌)ファージ(=食べる)と呼ばれている。
(3)ヘルペスウイルス
   成人の8割がこのウイルスを持っていると言われており、神経に潜伏し続
   ける代表的なDNAウイルスである。
   神経細胞の中に潜み体力が落ちたときなどに病気を引きおこしやすい。
(4)エボラウイルス
   アフリカに出現した紐のような形をしたウイルスである。
   発症した場合の症状は全身の筋肉の痛みだけでなく、胃、腎臓、肝臓、
   脳などあらゆる臓器から出血するエボラ出血熱である。
(5)インフルエンザウイルス
   カモなどの水鳥を宿主とするRNAウイルスである。
   このウイルスの特徴は驚異的なスピードで変化(進化)していくところ
   にある。変化したウイルスは免疫細胞に見つかりにくく、攻撃を上手に
   かわしている。
(6)SARSコロナウイルス
   野生のハクビシンが保有していたウイルスがヒトに感染するようになっ
   たと考えられている。2002年11月に中国で初めて出現した。無数の突起
   を周囲に伸ばした形が太陽のコロナと似ているところから命名されてい
   るらしい。
(7)ライノウイルス
   いわゆる鼻かぜの主な原因ウイルスの一つ。このウイルスは100種類以上
   あり、混合した感染源により、たびたび繰り返し感染してしまうことも
   ある。増殖温度が33℃と低いため、呼吸器の入り口の低温の部分だけに
   感染する。
(8)麻疹ウイルス
   はしかの原因となるRNAウイルス。発展途上国では多くの死者を出し、最
   も恐れられているウイルスである。
   感染経路が多く、飛沫感染、接触感染により感染すると90%以上のヒト
   が発病する。
   一回のくしゃみでヒトから飛び出す飛沫は150kmで約200万個。咳で約10
   万個あり、到達距離は10mくらい。感染範囲は2~4mほどと言われている。

 このようにウイルスにもいろいろな種類があり、感染経路や症状や治療方法
や予防方法も異なる。トリインフルエンザのように変異していくものもあるた
め、正確な情報入手と最悪の事態に備えたリスクマネジメントが必要である。


《引用文献》
 ・DVDで学ぶウイルス・病原菌(人体紀行) 2008年発行 西東社
 ・月刊子供の科学 2009年2月号「驚異のウイルス」誠文堂新光社



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■ シリーズ ~水の時代~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  ~ 第10回:ミネラルウォーター ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                      取締役常務執行役員  濱 義紹


 自然の水に恵まれた我が国において、世界でも珍しく生水をそのまま飲むこ
とができる世界でも稀な恵まれた国だと教えられてきた。しかし、昭和20年代
でも梅雨時の生水は沸かしてからでないと飲まないように先生からの注意があ
った記憶がある。
 20数年前に欧州に行ったとき、ジュネーブでは生水OK、パリではエビアン
(ミネラルウォーター)、ブラッセルではコップに入れて沈殿させてからなら
飲料OK、ロンドンではミネラルウォーターという風に入国ごとにまず飲み水
に気を使ったという経験がある。
 綺麗な井戸水で育った我々の世代の人間にとって、まさかヨーロッパと同じ
ように水にお金を払う時代がくるとは夢にも思っていなかった。
 今回は、気がついてみるといつの間にかまわりにあふれるほど市販されてい
る色々な種類のミネラルウォーターを取り上げてみる。

【ミネラルウォーターの種類】
 我が国のミネラルウォーターはナチュラルウォーター、ミネラルウォーター、
ボトルドウォーターの3種類に分類される。

(1)ナチュラルウォーター
  ・ナチュラルウォーター[ 国内シェア 1.6%(2001年実績)]
     原  水 - 特定の水源から採水された地下水
     処理法 - ろ過殺菌、加熱殺菌に限る
  ・ナチュラルミネラルウォーター[国内シェア 87.9%(2001年実績)]
     原  水 - 特定の水源から採水された地下水、カルシウムやマグネシ
                  ウムなど地層中の無機塩類が溶解したもの      
        処理法 - ろ過殺菌、加熱殺菌に限る

(2)ミネラルウォーター[ 国内シェア 1.9%(2001年実績)]
        原  水 - 特定の水源から採水された地下水
        処理法 - 複数の原水の混合、ミネラル分の調整
         ろ過殺菌、加熱殺菌のほか、オゾン殺菌、紫外線殺菌
                  なども可
(3)ボトルドウォーター[ 国内シェア 8.6%(2001年実績)]
        原  水 - 地下水、蒸留水、表流水、水道水など
        処理法 - 処理方法の制限なし
                  食品衛生法に基づく殺菌が必要

【原水の種類】
 原水の種類には次のようなものがある。

(1)温泉水
   自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、または温泉法第2条に
   規定される溶存鉱物質などにより特徴付けられる地下水のうち飲用適の
   もの
(2)鉱泉水
   自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ溶存鉱物質
   などにより特徴付けられる地下水
(3)鉱水
   ポンプなどにより取水した地下水のうち溶存鉱物質などにより特徴付け
   られる地下水
(4)湧水
   不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区分によることなく自噴している
   地下水
(5)深井戸水
   深井戸からポンプなどにより取水した地下水
(6)浅井戸水
   浅井戸からポンプなどにより取水した地下水
(7)伏流水
   上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じ
   る流水

【馴染みのあるミネラルウォーター】
《軟水 硬度100mg/L未満》
 天然水(南アルプス)  pH7.1  硬度30.0mg/L
 アルカリイオンの水   pH9.5  硬度59.0mg/L
 六甲のおいしい水    pH7.7  硬度84.0mg/L
 ボルヴィック      pH7.0  硬度60.8mg/L
  
《中硬水 硬度100~300mg/L》
 エビアン        pH7.2  硬度304mg/L

《硬水 硬度301mg/L以上》
 ヴィッテル       pH7.5  硬度307.1mg/L
 コントレックス     pH7.4  硬度1468.0mg/L
 ペリエ         pH6.0  硬度381.9mg/L

【水広場でミネラルウォーター紹介】
 Web『水広場』で紹介されている水の種類は非常に多く、次のようなものが
ある。(2010年3月4日現在)

(1)超軟水 硬度0~50mg/L
   62種類が紹介されており、硬度ゼロのものもある
(2)軟水51~100mg/L
   23種類が紹介されている
(3)中程度の硬水101~300mg/L
   35種類が紹介されている
(4)硬水301~1000mg/L
   29種類が紹介されている
(5)超硬水1001mg/L~
   10種類が紹介されており、硬度の最高は1828mg/Lのものがある

【地下水を水源とするミネラルウォーターの国際規格】
(1)国際規格とは
   FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が合同で食品規格計画
   を推進しており、その実行機関がコーデックス委員会であり、そこで決
   める国際規格がコーデックス規格である

(2)ミネラルウォーターの国際規格
   ミネラルウォーターの国際規格としてコーデックス規格がある
    内容は次の通り、
    ・ナチュラルミネラルウォーターの規格基準
    ・ボトルド/パッケージド・ドリンキングウォーターの一般規格
     (ナチュラルミネラルウォーター以外)

【地域による水質差】
(1)ヨーロッパ
   ・ミネラルが一般的に多いが、多い水と少ない水の幅が広い
   ・カルシウムと重炭酸塩が多い
(2)アメリカ
   ・ヨーロッパほど多くないが、日本より多い
(3)日本
   ・平均してミネラルは少なく、分布の幅も狭い
   ・特に重炭酸塩は少ない
   ・他の地域よりもシリカが多い

【ミネラルウォーターに対するヨーロッパの考え方】
《1950年代以前》
 ・ミネラルが多いことは体にいい影響がある
 ・フランス→治療効果が第一の条件である
 ・ドイツ→ミネラル量が多くなければミネラルウォーターではない(1000ppm)
《1980年以降》
 ・EC指令で統一されて治療効果は謳えなくなった
 ・源泉を保護、源泉の好気性微生物は製品の一部(源泉の微生物的純粋性を
    保護)である
 ・処理せず、バルク輸送せず、炭酸ガスには寛容である
 ・一方で成分中の悪影響がある成分の処理は可能としている
 ・ナチュラルミネラルウォーターはヨーロッパの製品である

【ミネラルウォーターに対するアメリカの考え方】
 ・ボトルドウォーターのキーワードは「安全性」
 ・容器入りの水はボトルドウォーターと総称してナチュラルミネラルウォー
  ターもその中に入れる(法規上は8種類、ミネラルウォーターもある)
 ・基本的に殺菌または除菌が必要という考え方(ほとんどがオゾン殺菌)が
  ある
 ・商品の80%が処理した大容量のピューリファイドウォーター(水道水の替
  わり)である
 ・濃縮果汁、香料は入れてもよい(フレーバードウォーター)甘味料は不可
 ・一般的に水道水に対して不信感がある。
 ・近年容器の使用が無駄だという論議がある

【ミネラルウォーターに対する日本の考え方】
 ・日本の水のキーワードは「食材」、おいしい水という概念が生まれた
 ・水の重炭酸塩が少ないので熱に安定
 ・安定した穏やかな水で量が豊富、どこでも誰でも入手しやすい
 ・上記のような背景から加熱する調理や飲料(ご飯、お茶)に水を使用、日
  常的な加熱に慣れている
 ・明治以来、日本の法規は食品の殺菌を義務化してきた、無殺菌・無除菌が
  許されたのは1986年である

【何が問題か・・・ヨーロッパの主張】
 ・源泉固有の微生物数を変えるような処理をしてはいけない
  →殺菌も除菌もダメ
 ・小売容器以外の容器で運搬してはいけない
  →バルク輸送をするとナチュラルミネラルウォーターでなくなる
 ・ミネラルウォーターという用語は禁止
  →EC指令で紛らわしい用語として禁止している
 ・炭酸ガスは天然以外に別のガスを圧入してもナチュラルミネラルウォータ
  ーという
 ・ナチュラルミネラルウォーターは1用語でヨーロッパ固有の製品をいう

【何が問題か・・・日本や米国の主張】
 ・世界規模規格であれば熱帯地方も含まれるので、消費者の健康保護に殺菌・
  除菌は必要
 ・源泉の微生物を保護する理由はない→微生物は本質的成分ではない
 ・衛生的に管理すれば、バルク輸送を禁止する必要はない→必要とする地域
  もある
 ・ミネラルウォーターという用語は普遍的に使用されている→避ける必要は
  ない
 ・「ナチュラル」という用語はコーデックス・ガイドラインで使い方が規定
  されている

 微量成分による地下水や河川水の水質汚染が進み、グローバルな経済活動に
よる感染症リスクが増大している中で、飲料水だけは安全な水を各個人がケー
スに応じて見極めながら選ばなければならなくなってきている。
 前記したように、非常に多くのペットボトル入りの飲料水が世界中で販売さ
れており、ここに挙げたもの以外にも多数のペットボトル入り飲料水が世界中
で出回っている。
 また、水道水の蛇口をアルカリイオン水造水装置に取り付け、電気分解によ
り色々な機能水を作る方法も普及し始めている。
 水に手を加えて楽しむ時代になったとも言える。


《引用文献》
 ・雑誌「天の水地の水 No166」2008年秋季号 全国地下水利用対策団体連合会
 ・「ウォータービジネス」 中村靖彦 2004年発行 岩波新書 
 ・「水ハンドブック」水ハンドブック編集委員会 2003年発行 丸善
 ・水広場 硬度別商品一覧  
   http://www.mizuhiroba.jp/shop/products/list.html/2/



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■ シリーズ ~技術者のエスプリ~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  ~ 第12回: セレンディピティー ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                      取締役常務執行役員  濱 義紹
 

 7~8年前になるが、四国内だけでなく四国域外のいろいろな展示会に行く
と、いつも伯方塩業の野本さんが、精力的に“伯方の塩”を宣伝しサンプル配
布をしておられる姿が見られた。
 あるとき、私を見つけた野本さんが、「はまさーん、はまさーん」と私を大
声で呼んでいるので近づいていくと「濱さん、世はセレンディピティーの時代
ですよ」と言って化学同人のセレンディピティーの本を差し出して、熱っぽく
説明をしてくれた。
 そのときまでセレンディピティーという言葉を知らなかったので非常に興味
深く聞かせてもらったことを覚えている。帰ってからすぐに本を購入し読んで
みたが、俗人には程遠い天才の属性だと感じたのでしばらくこのことについて
深く考えても見なかった。
 2007年のプレジデントで凡人レベルのセレンディピティーが、情報活用の視
点で取り上げられた。「解明!『ピンとくるひと、こない人』~カラーバス効
果 大切なことを見逃さない思考回路~」はどこが違うかというテーマでビジ
ネスへの活用を展開していたのを見て凡人用のセレンディピティーを少し見直
すことにした。
 まずは、本来のセレンディピティーについて認識した上でビジネスに活用で
きるセレンディピティーについて考えてみたい。

【セレンディピティーとは】
 英和辞典によると「当てにしていないものを偶然にうまく発見する才能」と
か「偶然に幸運な予想外の発見をする能力」いう説明であるが、今回引用の書
籍の副題や説明のほうがその意味をよく表している。
 ・偶然からモノを見つけ出す能力
 ・ほかの目的で活動していると気に、当てにしていなかったものが見つかる
 ・思いがけない発見・発明
 ・探してもいない貴重なあるいはすばらしいものを見つける才能
 ・創造的発見と偶然
 ・チャンスは待ち構えた知性の持ち主だけに好意を示す
などが紹介されている。

【SERENDIPITY  serendipity セレンディピティーという言葉の起源】
 1954年に英国の著述家であり政治家でもあるホイレス・ウォルポールが友人
に送った手紙の中で使用した造語から始まっている。
 「セレンディップの三人の王子」という童話の中に出てくる王子たちは、セ
レンディップの王様が三人の王子を修行の旅に出し、「いつも偶然と機敏さに
より、探し求めている以外のものを発見している」ところから、これを表現す
るために創り出された言葉なのである。
 セレンディップとはセイロン(現在のスリランカ)のことであり、地名から
創り出された造語が現在まで一つの語彙として残っているのである。

【後天的な学習効果】
 セレンディップの三人の王子の才能は、修行の旅に出て益々発揮されるよう
になった。「発見の楽しみ」は全ての人々に共通するところであり、それぞれ
の人がそれぞれに適したセレンディピティーの向上方法を見出していくことに
繋がると紹介している書籍もある。
 セレンディピティーとは偶然と同義語ではない。幸運そのものではない。偶
然も幸運も役割を果たすが、勤勉・機敏・忍耐が同じく要求される。偶然の宝
に気づくよう目を光らせていなければならない。
 アインシュタインやニュートンが特別にIQが高い人ではなく、これらの人々
に共通するのは、自分たちの仕事への献身と、他の誰もがそれを成し遂げよう
とはしていないときにそれを推進する気力があったということである。

【非凡な人たちのセレンディピティーによる代表的な発見例】
 セレンディピティーによる大発見はたくさんあるが、代表的なものを次に示
す。詳細は引用文献をご参照いただきたい。
(1)物理学におけるセレンディピティー
  ・レントゲンによるX線の発見
  ・ボルタによる電池の発見
(2)化学におけるセレンディピティー
  ・ジョゼフ・プリーストリーによる酸素の発見
  ・ノーベルによるダイナマイトの発見
(3)医学におけるセレンディピティー
  ・ジェンナーによる天然痘ワクチンの発見
  ・メーリングとミンコフスキーによるインシュリンの発見
(4)医薬におけるセレンディピティー
  ・フレミングによるペニシリンの発見
  ・ホフマンによるアスピリンの発見
(5)天文学におけるセレンディピティー
  ・ペンジアストウイルソンによるビッグ・バンの発見
  ・ベルとヒューイッシュによるパルサーの発見

【凡人のセレンディピティー】
 大切なことを見逃さない思考回路という視点でビジネスに活用できるセレン
ディピティーを説明している。
 レバレッジコンサルティグの本田直之によると、意識することを何か一つ決
めておくと、自然とそれに関連する情報が眼に入ってくる「カラーバス効果」
が意思決定に影響することに注目している。

【直感と山勘】
 山勘は当てずっぽうのことであり、何のキャリアにも裏付けられていない。
 それに対して、直感は過去の成功体験や失敗体験など積み重ねてきたキャリ
アをもとに、無意識のうちに浮かんでくるものであり、正しいことが多いと鹿
屋体育大学の児玉光雄教授は主張している。
 直感力の鋭い人は、自分の目的や課題を明確に持っている人が多いともいわ
れている。

【偶然を成功に変える力】
 直感と言うと論理的な思考力が強く求められる化学の世界とは縁遠いように
思われるが、ノーベル賞受賞者や最先端の科学技術研究者の間では直感の重
要性が言われてきた。
 その直感がセレンディピティーである。
 偶然による大発見をセレンディピティーと呼ぶように提案したのは前記した
ウォルポールであるが、もっとわかりやすくしたのがセレンディピティーの構
成要素である。

【セレンディピティーを構成する要素】
 東京理科大学の宮永博史教授によると、セレンディピティーは偶然を成功に
変える力であるという説明だけでは漠然としすぎているため、さらに分解する
と次の二つに分かれると説明している。
(1)気づく力
   一見して関連のないものを結びつけたり、観察したことを推理する力
(2)実現する力
   思いついたことを実現する力

【凡人と非凡な人との差】
 見たこともない現象を目にしたとき凡人は「やっぱり失敗か」と思ってしま
う。こんなときの凡人と非凡な人との差として宮永教授は次の5項目を挙げて
いる。そして特に(2)の大切さを説いている。
(1)観察力の有無
(2)広い視野を持てるかどうか
(3)他の分野を自分のことと関連付けられるかどうか
(4)普段一般的な知識を収集するよう努力しているかどうか
(5)思いついても実行するかどうか

【一時的に問題を放棄する】
 直感を得るためのポイントは、科学技術分野の宮永教授もスポーツ分野の児
玉教授も「問題を放棄すること」「しばらく寝かせて熟成すること」と同じ答
えが返ってくるという。
 何かの目的や課題について考え抜いた末、そこから離れて、無意識の中で直
感を待つことが重要である。

【ジェームス・W・ヤングの理論】
 情報の大切さをアイデア創出の著名な研究者であるジェームス・W・ヤング
の理論を説明する。
 どんなアイデアも、発明も、発見も結局のところ「既存の要素の新しい組み
合わせ以外の何ものでもない」。ここでいう要素とは情報のことである。

    情報の収集
     ↓
    情報の加工
     ↓
    孵化段階     ─→  アイデアの誕生 → アイデアの具体化
       ↓ 
   意識の外での組み合わせにまかせる  → セレンディピティー 

【情報ポートフォリオの読書術】
 直感を得られるようになるために普段からどのように情報を収集していけば
よいか。ここで推奨されているのはポートフォリオの読書術である。次のよう
な分野のバランスの取れた情報収集により、アイデアの基になる母集団が増え、
組み合わせの数が飛躍的に向上する。ポートフォリオの左上の枡に経営(イノ
ベーション、財務・会計、マーケティングなど)、左下の枡に人文科学(歴史、
哲学、語学、心理学)、右上の枡に社会科学(政治学、法律学、社会学)、右
下の枡に科学技術(情報通信技術、生命工学、ナノテクノロジー)を配しバラ
ンスよく収集することが肝要である。

【直感を活かす組織への大転換が急務】
 直感にせよ、セレンディピティーにせよ、そのものは個人に属するものだが、
会社として無関心ではいられない。
 戦後の高度成長期において日本企業は米国で生まれた新製品や新技術を改善
・改良することで伸びてきた。現在の日本の会社組織では、新しいビジネス創
造に向けてブレークスルーやコンセプトを生み出さなければならなくなってき
た。

【社員のセレンディピティーを引き出す仕組み】
(1)小林製薬の場合
   新製品や業務改善を積極的に募るポイント型の提案制度を1982年から導
   入。トイレの洗浄剤「液体ブルーレットおくだけ/年商42億円」や排尿
   障害改善剤「ユリナール/年商5億円」などがこの制度から生まれた。
   獲得ポイントによって上限100万円の賞金や社長との食事会といった得
   点が与えられる。

(2)スリーエムの場合
   スリーエムでは、会社で認められなかったテーマであっても自分の労働
   時間の15%を研究開発に使える「15%ルール」や、勤務時間外や休日に
   会社の設備を使って研究開発を続けられる「密造酒造り」といった制度
   が設けられている。
   「ポストイット」という世界的大ヒット商品はこの制度から生まれたも
   のである。

【直感は必須のスキル】
 新しい価値を創造していくことが求められるようになった時代を生きていく
ビジネスマンにとって、直感は必須のスキルであり、会社としても社員ひとり
ひとりの直感力を尊重し高めていくことが大切である。とプレジデント編集部
の伊藤博之氏は結んでいる。

 先例のないこれからの時代に、なにかを創り出そうとしている技術者は、収
集した沢山の母集団情報からアイデア、発明、発見、創造にたどり着けるよう、
直感力やセレンディピティー発揮力を鍛えなければならない。
 専門分野のみを突っ走るよりも、“情報ポートフォリオ”を活かし、一見何
の関係もないような分野の情報との有機的つながりが役に立つことがよくある。
前回のメルマガで述べた“無用の用”は直感やセレンディピティーにこそ必要
な要因ではないであろうか。


《引用文献》
 ・「セレンディピティー」R.M.ロバーツ著 安藤喬志訳 1993年発行 化学同人
 ・「創造的発見と偶然-科学におけるセレンディピティー」
    G.シャピロ著 新関暢一訳 1993年発行  東京化学同人
 ・「偶然からモノを見つけだす能力」 澤泉重一 2002年発行 角川書店
 ・雑誌プレジデント 2007年3月19日号 プレジデント社



  最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
  ご質問、ご感想などを下記にお寄せいただけましたら幸いです。


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ■ 発 行:阿波製紙株式会社 http://www.awapaper.co.jp/
  ■ 連絡先:770-0005 徳島市南矢三町3丁目10-18
        Tel:088-631-8229 Fax:088-632-0079
  ■ E-mail: tech@awapaper.co.jp
   配信の停止、ご意見・お問合せはこちらまでお願い致します
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   Copyright 2010 Awa Paper Mfg. Co.,Ltd. All Rights Reserved.
		  

メールマガジンバックナンバー

ページのトップへ