【阿波製紙】如何に戦略変更すべきか

2011年6月17日

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 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
 ┃                    vol.78 【 2011/ 6/ 17 】        
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   東日本大震災で被災された皆様とそのご家族、ご関係者の皆様に心より
   お見舞い申しあげますとともに1日も早い復興をお祈りいたします。
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 │目次│   
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  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  └ 02:[シ リ ー ズ] 微生物と感染症(第9回:バイオハザード)
            
                       
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┃ ■  ご 挨 拶 ■
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┃  如何に戦略変更すべきか
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                                                   取締役社長 三木康弘


 先般中国上海へ行ってまいりました。日本と同じく梅雨入りしていてずっと
肌寒い雨模様でした。しかしこれから夏に向けて猛暑を予想してか、ある対策
が報じられていました。それは可燃性の危険物を運ぶトラックの交通規制です。
暑さで爆発すると危ないので夏の間上海地区内は日中通行禁止にするという日
本では信じ難い規制です。当社も含め期間中溶剤などの受け入れに支障が出て
混乱が予想されます。それに通行禁止の昼の間、危険物を積んだタンクローリ
ーやトラックはどこで待機していたら良いのでしょうか。科学的かどうかは別
で、形振り構わずリスクを力ずくで抑え込もうとしています。そして疑問や矛
盾はあっても決まったことは従うしか無いようです。そんな中国でも13億人
の市場と経済の高成長をバックにこれまで海外からの投資が引き寄せられてき
ました。バブルが囁かれても多くの上海人は今後も成長は絶対に続くと信じて
いるようです。

 日本においては震災後3カ月が過ぎましたが、明らかに目指す方向性が変わ
ってきたように思います。より以上に環境に配慮した活動、基本的な節電の他
LED電球などに代表されるように高くても省エネ省資源を求める消費者の新た
な需要が出てきました。一方メーカーは、リスク分散のための購買先の分散や
海外品の検討と調達先が一気に拡がりました。企業は環境適応業と言われます
が、国や地域によって異なる時代の流れを読み取り、そこに生じてくるビジネ
スモデルの空白をねらう戦略変更が必要不可欠であり、ピンチをチャンスにい
かす絶好の時を迎えたと思っています。何を提供するのか、如何にビジネスモ
デルを変革できるか、自社のみならずお取引先やパートナー企業との関係をも
変革させなければならないかもしれません。当社は、商品やサービスだけでな
くビジネスモデルも含めた既存常識を考え直し、新たな顧客価値を提案してま
いります。



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┃ ■ シリーズ ~微生物と感染症~ ■
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┃  ~ 9回:バイオハザード  ~
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                              取締役常務執行役員  濱 義紹


 忘れた頃に起きることの一つとして食中毒がある。
 生肉ユッケによるO-111の被害者が出たが、危険と隣り合わせにありながら
調理者に安全面を全て託して食してしまう点では50年ほど前に多発したフグの
食中毒に似ている。
 しばらく感染症を取り上げていなかったが、細菌は目に見えない危険性にお
いては放射性物質、化学物質と同様に一定の管理下で扱われなければならない
ものの一つである。今回は感染症の菌やウイルスがどのような管理下で扱われ
ているかについて取り上げる。

 地震のあとに二次災害として起きるものとして、火事と感染症が代表的なも
のである。地震による被害でいまだに復興を果たせていないハイチでは新たに
コレラによる被害が拡大している。
 感染症の現実と感染症に立ち向かうためのバイオセーフティーレベルに応じ
たバイオハザードの備えについて述べる。

【スマトラ島沖地震と感染症】

 2004年12月26日に起きたスマトラ島沖地震では津波で22万人という死者が出
たが、迅速な緊急支援による安全な水と食料のおかげでハイチのようなコレラ
感染の拡大は起きていない。
 地震と感染症の関係がよく取り上げられているが、100人以上の犠牲者を出
した最近の大地震による大津波で感染症の流行は出ておらず、地震と感染症
を関係づけるエビデンスは見当たらない。むしろマラリア、デング熱につい
ては蚊および幼虫が津波に流されて被災地ではむしろその数が減っていると
「医学のあゆみ」で報じられている。

【ハイチ地震とコレラ】

 2010年に起きたハイチ大地震のあと、復興が進まないテント生活の中、コ
レラが流行していることが報道されてきた。
 今年5月15日22時にNHK BS1のニュース「地球TV100」で報道された内容を
メモしてあった数字を見ると、現時点で30万人がコレラに罹患し、死者は45
00人に達しているとのことである。
 しかし、WHOによるとハイチでは過去100年間コレラは発生しておらず、感
染経路の究明がなされていると報じられている。

【チリ地震による津波と赤痢・・・1960年(昭和35年)】

 昭和35年に起きたチリ地震による津波の写真記録を見ると、大船渡市の電
柱に、「赤痢に注意」という貼り紙が見られた。飲料水や衛生状態が現在の
ように発達していなかった頃には赤痢の流行が危惧されたのであろう。
 ハイチと比較して衛生環境が確保されている我が国の現在の地震後の避難
環境では、地震と津波による感染症の大流行の危惧はなくなってきている。

【バイオハザード・・・微生物災害】

 1928年にアフリカで黄熱病により死亡した野口英世博士はこのバイオハザ
ードの犠牲者であった。実験室感染事故は1800年代から多発しており、研究
者はまさに死と隣りあわせで実験に取り組んでいた。
 微生物学者にとっては病気の解明や危険なウイルスでも安全に取り扱え、
ラッサ熱やエボラ出血熱にも対応できるP-4レベルの高度安全実験施設が我が
国で完成したのは比較的新しく1981年であった。

【病原体の危険度分類】

 我が国では病原体の危険度を検査室の安全管理の面から1~4ランクに分け、
2と3はさらに2aと2b、3aと3bに分けてP1、P2、P2a、P2b、P3a、P3b、P4と分
類され管理されている。ちなみにPはPhysical containment(物理的封じ込め)
のことである。

 (危険度低い)      (危険度高い)
  1 →2 →2a →2b →3a →3b →4  

危険度1~4には次のようなウイルスが該当する。

 危険度1  ── ハト痘、ニューキャッスル病
 危険度2a ── トリインフルエンザ、ブタインフルエンザ
 危険度2b ── インフルエンザ、肝炎、麻疹、ポリオ
 危険度3a ── 日本脳炎、デング熱、狂犬病、オーム熱
 危険度3b ── ツツガムシ病、スクレピー
 危険度4  ── ラッサ熱、マールブルグ熱、エボラ出血熱、黄熱

【バイオセーフティーレベル】

 病原体のリスクの面から分類したものをバイオセーフティーレベル(BSL)
と呼び、BSL-1から BSL-4まである。
 WHOではリスク群1~リスク群4に分類し、安全管理の面からP1~P4で管理す
るよう指示している。リスク群の定義とリスクの程度、安全管理の程度の関
係は以下の通りである。

―リスク群の定義―

・リスク群1
  無または低度の個体および集団リスク
  ヒトまたは動物に疾患を引きおこす見込みの無い微生物。

・リスク群2
 中低度の個体リスク、低集団リスク
  ヒトまたは動物に疾患を引きおこす病原体であるが、有効な治療および
  予防手段が提供されており、感染が広がる危険性が限られている。

・リスク群3
  高個体リスク、低集団リスク
  人および動物に重篤な疾病を引きおこす病原体。
  有効な治療および予防手段が提供されている。

・リスク群4
   高個体リスク、高集団リスク
  人および動物に重篤な疾病を通常引きおこす病原体。
  有効な治療および予防手段が通常提供されていない。

―リスク群とリスクの程度、安全管理の程度の関係―

(グループ) (病原体のリスクの程度)   (検査室の安全管理の程度)
リスク群1  バイオセーフティーレベル BSL-1  物理的封じ込め P1
リスク群2  バイオセーフティーレベル BSL-2  物理的封じ込め P2
リスク群3  バイオセーフティーレベル BSL-3  物理的封じ込め P3
リスク群4  バイオセーフティーレベル BSL-4  物理的封じ込め P4

【想定内】

 20世紀以降に世界で起きたM9以上の地震は環太平洋で6件も起きているこ
とや、東日本大震災については1100年前(西暦869年)に東北地方を襲った
貞観地震が酷似していることから、このたびの地震被害は想定内の出来事と
の見方が強くなってきている。6件の巨大地震は以下のとおりである。

 カムチャツカ地震      M9.0  1952年
 アンドレアノフ地震     M9.1  1957年
 チリ地震          M9.5  1960年
 アラスカ地震        M9.2  1964年
 スマトラ島沖地震      M9.1  2004年
 東北地方太平洋沖地震    M9.0  2011年

 グローバルな経済活動が行われている中で、“有効な治療および予防手段
が通常提供されていない「リスク群4」”に相当する想定外の新たな殺人ウ
イルスに対して予防安全の備えが必要である。



《引用文献》
 ・Newton臨時増刊「SARSの正しい知識」 2003年8月号 ニュートンプレス
 ・週刊「医学のあゆみ」217巻 2号  2006年4月8日 医歯薬出版
 ・「バイオセーフティ施設の安全対策等について」 2009年2月
                   国立医薬品食品衛生研究所
 ・実験室バイオセーフティーマニュアル(改訂版)2003年 世界保健機構 
 ・AERA臨時増刊「原発と日本人」2011年5月15日号 朝日新聞出版



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