【阿波製紙】気概を持つ

2012年3月21日

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  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社
 ┃                    vol.87 【 2012/ 3 / 21 】
 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  http://www.awapaper.co.jp/

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 │目次│
 └┬─┘
  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] 阿波製紙(上海)有限公司東総経理
  │                「2011年度中国百名改革創新風雲人物賞」を受賞
  └ 03:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第30回:選択)


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┃ ■  ご 挨 拶 ■
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┃ 気概を持つ
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                                                  取締役社長 三木康弘


 お彼岸を迎え、ようやく温かくなってきました。今期はやはり東日本大震災
からの復興を、国家国民が離れず念頭に置いて過ごしてきた一年であったかと
思います。様々な災害で被災された方々に心を寄せれば、使命感という力が湧
いてきます。新年度を迎えるにあたり、あらためて社業を通じて公に尽くすと
いう気概を持つことが大事と思います。

 日本経済の現状規模を見てみますと、世界の中で国土は0.3%、人口は2%、
GDPは8%程度でありますが、今後国土以外は更に減少していくのでしょう。そ
のような中で日本企業が元気になっていくためには、海外の発展を取り込むか
海外でしっかりと稼ぐしかありません。蓄えた知識・技能に加え、日本人特有
の感性力やデザイン力などを活かし世界に貢献することで、繁栄を目指してい
くのだと思います。

 今世界は、スマートホンやタブレット端末というハードとSNSなどのソフトの
融合により、革命的変化が起きています。情報の伝達方法や共有情報の劇的拡
大、交流可能メンバーの激増やコミュニケーションの取り方の多様化など、な
かなか追い付けません。しかし、何事においてもこだわりを捨てて世の中の変
化をあるがままに受け入れることが大事と痛感するこの頃です。新しい取り組
みは、不安や抵抗が付きものですが、結果を考えて行動してもダメ! 目先の
ことを考えたら何もうまくいかない。順境や逆境の体験が財産となります。

 来期は大きな夢ビジョンを掲げ、日本及びタイ、中国の拠点をそれぞれ拡大
・変化発展させるよう積極的な取り組みをして参ります。アジアの新市場も魅
力的です。紙の可能性を追求して、世の中を変えるような新商品を創り、次世
代のお役に立ちたいと念願しています。一層のご支援ご指導を宜しくお願い申
し上げます。



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┃ ■ 今月のトピックス ■
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 │■ トピックス 1 阿波製紙(上海)有限公司東総経理
 │        「2011年度中国百名改革創新風雲人物賞」を受賞
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 │平成24年2月28日(火)
 │ 阿波製紙(上海)有限公司東総経理が中国政府商務部により同国経済の発
 │ 展に貢献した人物100人に与えられる「2011年度中国百名改革創新風雲人
 │ 物賞」を受賞いたしました。
 │ → http://www.awapaper.co.jp/company/news218.html
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┃ ■ シリーズ ~ 技術者のエスプリ ~ ■
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┃  ~ 第30回:選択  ~
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                              取締役常務執行役員  濱 義紹


 今年の2月19日にNHKで再放映された“コロンビア白熱教室”に登場したのは
コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガーさんであった。
 著書に「選択の科学」がある。冒頭に、「選択」を研究テーマに選んだ理由
を次のように述べている。
 「アメリカンドリームの中心にある、光り輝くもの、とてつもなく明るいた
めに、目が見えなくとも見えるものに気がついた。それが選ぶということであ
った」と。そして彼女は、シーク経の教えに従って何を食べ、身につけ、学ぶ
かが決められ、シーク経は宗教の教義を忠実に守ることにより、服従の大切さ
を教えてくれた。また後には、どこで働くか、誰と結婚するかが、シーク経の
掟と父母の意向によってすべて決められるはずだった。
 しかし、高校に上がる頃に失明した彼女は、アメリカの公立高校で自分のこ
とは自分で決めるのが当たり前というだけでなく、望ましいことであると教え
られた。盲目のシーク教徒である少女にとってそれはとてつもなく力強い思想
であったと彼女は述べている。

 彼女は「選択」こそアメリカの力であることを学んでいくのである。
 今回は我々の日常の「選択」を取り上げてみたい。

【豊富な選択肢】

 豊富な選択肢が何をもたらすか、ジャムの実験がある。消費者は選択肢が多
いほどよいことだと思い込んでいるが、実際はジャムの品揃えが豊富なときよ
り、品揃えが少ないときの方が、お客が実際にジャムを買う確率が高かったと
いうある食料品店での実験は次のようなものであった。
 食料品店の試食コーナーに24種類のジャムと6種類のジャムを並べた場合を
比較すると、6種類のジャムを試食した人は30%が購入したのに対し、24種類
のジャムを試食した人はわずか3%しかいなかった。ジャムを購入した客の人
数は品揃えの少ない方が10倍もあったのだ。人間は選択肢の数があまりにも
多くなると、選ぶこと自体を止めてしまう傾向にある。豊富な選択肢は必ずし
も利益にはならないという実験例である。

 人生における重要な選択を本人ではなく親が決める国もまだ多く、旧ドイツ
やロシアでは自由が制限され、選択肢が与えられなかった社会主義の時代を懐
かしむ人も多く、人間は突然自由の海に突き落とされたら混乱するのだと彼女
は説く。

【選択と偶然と運命】

 人生は、運命、偶然、選択という3つの観点で語ることができる。選択とい
う観点で語るとすべての言動に責任を持つようになる。
 選択をするということは将来と向かい合うことであり、一時間後、一年後
のこと、さらにもっと先を見て目にしたものをもとに判断を下すのだと彼女
はいう。

 家庭、貧富の差は運命によって決まり、偶然は予測できない様々なことを
もたらすが、人が何を選ぶかによってその人の価値が決まり、人生が変わるの
だと、運命と偶然以外の選択の力を説く。

【セルフエスティーム】

 「すべてはあなたが選択している」の著者ウィル・シュッツ博士(カリフォ
ルニア大学ロサンゼルス校)によると集団理論でよく取り上げられる「集団に
よる圧力」、「心理操作」、「搾取」、「洗脳」、「責任転嫁」といった言葉
はすべて他の人から自分に対してとる行為だが、選択の概念によればこういっ
た行為を許しているのはすべて自分であると説明している。
 集団の中で自分がある意見を主張したとする。それに対して他のメンバーが
自分の意見に反対で「袋叩きにあい」、「言い負かされ」、「槍玉に上がり」、
散々な目にあった末に、みんなに「打ち負かされ」、「無理やりに」自分の考
えを換えさせられてしまった。

 通常なら集団の横暴というべきところ、選択の概念で言えば、私の考えを変
えたのは彼らでなく、自分である。彼らはいろいろなことを言ったに過ぎない。
最終的に集団に迎合し考えを変えたのは自分であるということの気づきを通じ
て、自己洞察を深める自己啓発理論である。
 そして自分のことを重要な存在だと感じ、自信を持ち、今の自分が好きだと
思える、自身に対するポジティブな気持ちのことを「セルフエスティーム」と
いう。強いセルフエスティームは対人関係における柔軟性や高い生産性を生み
出す。
 選択と自己決定により「人生を自分で選んでいるという責任を受け入れたと
きすべてが変わる」というセルフエスティーム理論である。

【法然の選択・・・せんちゃく】

 五木寛之著の「親鸞 下」の中で修行時代の範宴(はんねん)という名のと
きに法然が万巻の経典の中から一行の言葉に触れて阿弥陀仏という仏と出会っ
たという。そしてこれまでに学んだことのすべてを投げ打って阿弥陀仏に帰依
した。それを法然は選択(せんちゃく)という言葉で語っていた。選択(せん
ちゃく)とは多くのものの中から一つを選び取ることだと範宴(はんねん)が
語る場面が出てくる。

 「親鸞 下」では範宴(はんねん)から改名した綽空(しゃっくう)は、
法然から選択本願念仏集(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)の書写を許さ
れ、仏の本願による念仏によってのみ救われるという法然の教えに震える若か
りし親鸞の感動するクライマックス場面がある。
 ここでの選択の言葉の内容は重い。

 藤本淨彦著の「法然」によると、建久8年(1197年)、時の最高権力者であ
る関白九条兼実は少しばかり加減の悪かった法然に対し、「浄土の教えにつ
いては、かねがね教えを受けていますが、いまだ十分に心の内に納めておく
に至っておりません。この機会に、経文の中で大切で知っておかねばならな
い文章を記しておいてくだされば、親しくお話を承る思いにもなるでしょう
し、また、他界されたあとの形見として、のちの人達のためにもなろうかと
思います」と所望した。
 この兼実の所望に対し、法然は弟子の数人に役割を定めて口述を筆記させ
た。このようにして建久9年春(1198年)に選択本願念仏集(せんちゃくほ
んがんねんぶつしゅう)が完成したのであった。

【サムスンの選択】

 1997年(平成9年)に起きたアジア通貨危機は、韓国では「IMF危機」と呼
ばれている。このときは“朝鮮戦争以来最大の国難”ともいわれた。
 この危機を乗り越えていくために真剣に考え、これまで目標にしていた日
本企業のあり方を研究し、日本の企業は当時、今にも増して新興国をただの
生産拠点としてしか捉えていなかったことから、産業構造のグローバル化に
全く対応できていないと判断し、“日本とは違った道”を進んでいくことを
決断し、李健煕会長の「妻と子ども以外はすべて取り替える」という言葉が
当時のサムスンの選択であったことが「サムスンの決定はなぜ世界一速いの
か」に記載されている。サムスンの意思決定の速さ、見える化から見せる化
へ、地域に応じた製品設計、過剰機能の排除、損して得とるCSセンター、R&
Dの「現地、現材、現人」化、生き残りを懸けての事業売却とコストカット
等々、サムスンの選択が満載されている。
 世界制覇したサムスンの選択は我々グローバル化を必然とした日本企業に
大いに参考になると思われる。

【選択と集中】

 不景気になると選択と集中という言葉が飛び交う。経営資源が限られた多
くの中小・中堅企業にとって大切な要素である。それと同時に効率化が進み
すぎると要素技術開発が削られる方向になりがちである。

 欧米技術のキャッチアップで発展してきた我が国のものづくりは、お手本
の無い時代に入っている。発散的研究活動と収束的開発活動を区別してコン
カレントに実行していかねばならない。
 国際会計基準でも研究活動と開発活動とは区別されている。
 世界の課題解決の視点で顕在課題と潜在課題を見つめなおし、お手本の無
い時代の新たなグランドデザインの創出と近未来のあるべき姿を目指したテ
ーマ選択が必要となってきている。

【PDPC法による選択】

 PDPC法とは1968年に近藤次郎氏が東大紛争を解決するために作成した手法
である。
 Process Decision Program Chartの略であり、過程計画決定図と呼ばれる。
 新QC七つ道具にも採用されており品質管理にも使用できる手法である。通
常の日程計画を定めても、相手方の都合によって状況が変化するものや、災
害等の不測の事態に備えて対応を検討しておかねばならず、問題が起きたと
きには目標に向かって軌道修正することを可能にしておかねばならない。
ここでの選択は相手がいるため極めて流動的である。期待目標に向かっての
軌道修正、戦争、研究開発、新市場開拓などに適している。

 グローバル化とIT化が怒涛のごとく進む現在、日常的選択案件が飛躍的に
増加している。
 膨大な選択肢の海におぼれないためにシーナ・アイエンガー教授の言葉を
再び引用すると、「重要ではない選択、他人に任せられる選択は除いて自分
の価値を高めてくれる選択に集中することである。」と述べている。


《引用文献》
 ・選択の科学(コロンビア大学ビジネススクール特別講義)
  シーナ・アイエンガー著 櫻井祐子訳 2011年 文藝春秋社
 ・すべてはあなたが選択している ウィル・シュッツ著  池田絵実訳
   ビジネスコンサルタント監修 2011年 翔泳社
 ・法然 藤本淨彦 2010年 創元社
 ・親鸞 五木寛之 2011年 講談社
 ・サムスンの決定はなぜ世界一速いのか 吉川良三 2011年 角川書店
 ・ISOマネジメント 2010年12月号 日刊工業新聞社



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