歴史とこれから

創業期

  • 1916年

    徳島県初の機械漉き和紙メーカーとして創業。徳島市名東郡加茂村に工場を建設し、1号抄紙機を導入

  • 1920年代

    書道半紙 水仙ブランドを確立。
    品質の高さが評判となり、全国シェア25%を獲得

  • 1940年代前半

    戦時中の企業統合で「徳島合同製紙」を設立。空襲の影響を受けながらも製紙業を継続

変革期

  • 1946年

    終戦後、「徳島合同製紙」から「阿波製紙」に商号変更。戦災を免れた設備で紙づくりを再開し、書道半紙、チリ紙、薄模造紙などの生産を開始

  • 1961年

    自動車エンジン用濾紙の生産・販売を開始

  • 1983年

    100%ポリエステル紙「PURELY」が完成。分離膜支持体用不織布として採用され、世界の水処理産業に進出

拡大期

  • 1994年

    タイに合弁会社を設立し、海外展開をスタート。グローバルメーカーへの第一歩を進む

  • 2002年

    中国・上海に第2の海外拠点を開設。アジア市場での生産・販売体制を確立

  • 2000年代

    ISO9001(品質)・ISO14001(環境)を取得。世界基準のメーカーとして認められる

これから

  • 2025年

    110億円を投資した新工場が稼働開始。水処理事業のさらなる拡大へ

Phase1:創業期

地域とともに始まった、紙づくりの挑戦

創業期の阿波製紙の工場

1916年、阿波製紙は徳島県で初めての"機械漉き和紙メーカー"として誕生しました。当時、徳島の主力産業だった阿波藍が衰退し、地域は新しい産業を必要としていました。そんな中、文明開化で全国的に紙の需要が高まっていたことや、もともと徳島県で製紙原料である楮(こうぞ)や三椏(みつまた)が豊富に産出されていたことなどが追い風となり、地域の人々の手によって阿波製紙が設立され、紙づくりが始まったのです。工場が建てられたのは、徳島市名東郡加茂村(現在の徳島市南矢三町)。近くを流れる鮎喰川の伏流水は製紙に適しており、物流の拠点としても発展していました。1号抄紙機を導入し、書道用の半紙や京花紙など、暮らしに根ざした紙の生産がスタート。中でも書道半紙は品質の高さで注目を集め、やがて全国シェア25%を獲得するまでに成長しました。戦時中は原材料の統制や空襲の影響を受けながらも、製紙業を止めることなく、地域を支える"ものづくりの灯"を守り続けました。困難な時代でしたが、この経験が阿波製紙の粘り強さの原点となったのです。

Phase2:変革期

終戦からの再出発、
そして"機能紙"への挑戦

変革期の阿波製紙の工場

終戦から1年後の1946年、阿波製紙は空襲を免れた設備を使って紙づくりを再開しました。「地域の暮らしを支えたい」——その想いで、まずは書道半紙、チリ紙、薄模造紙など、身の回りに必要な紙の生産から再スタート。戦前の経験や技術を引き継ぎつつ、当時プラスチックの原料として需要が高まりつつあったセルロイド原紙の製造・販売に着手、好業績を収めます。そして1960年代、阿波製紙は大きな転換期を迎えます。「誰もつくっていない紙を、阿波製紙がつくる」——そんな想いで、自動車エンジン用濾紙や鉛蓄電池用セパレータ原紙といった特殊紙の研究開発を本格化させました。高度経済成長の中、公害問題や事故対応にも取り組みながら、「規模ではなく内容で日本一をめざす」という理念のもと、独自の道を切り拓いていったのです。そして1983年、阿波製紙は歴史に残る製品を生み出します。100%ポリエステル紙「PURELY」——これが、世界の水処理を支える分離膜支持体用不織布として採用され、今では世界シェア約40%を獲得するまでに成長。阿波製紙は"日本発のグローバルメーカー"へと進化しました。

Phase3:拡大期

グローバル展開と、
世界基準への進化

拡大期の阿波製紙の工場

1990年代、日本経済は「失われた10年」と呼ばれる長期不況に突入。円高・デフレが進み、製紙業界も厳しい環境に置かれました。阿波製紙も4期連続の減収減益を経験しながらも、立ち止まることはありませんでした。1994年、タイに合弁会社を設立し、海外展開へ踏み出します。アジア通貨危機を乗り越え、2000年代には中国・上海に第2の海外拠点を開設。さらにISO9001(品質)・ISO14001(環境)を取得し、品質・環境の両面で世界基準のメーカーへと進化しました。この時代、阿波製紙は"製紙会社"から"機能材料メーカー"へと変貌を遂げます。海水淡水化装置向けの逆浸透膜支持体用不織布、建材用ガラス繊維紙、食品包装用の脱酸素剤包材——多様な産業を支える機能材料を次々と開発。BtoB企業として、確固たる地位を築いていったのです。そして2012年、かねてからの悲願だった株式上場を果たし、2016年に設立100周年を迎えました。グローバル競争の中で培った技術力と信頼関係が、次の時代への土台となりました。

Phase4:いまとこれから

次の100年へ。受け継ぐ、超えていく。

現在の阿波製紙の新工場

2020年代、阿波製紙は新たな挑戦の時を迎えています。2025年、110億円を投資した新工場が稼働開始。水処理事業のさらなる拡大を目指し、世界の水問題解決に貢献していきます。海水淡水化、工業用水処理、家庭用浄水器——私たちの技術は、地球の「水」を守る最前線で活躍しています。同時に、環境配慮型素材の開発にも注力。脱プラスチック、CO2削減、リサイクル性向上——持続可能な社会の実現に向けて、紙の新たな可能性を追求しています。創業から110年。阿波製紙が「受け継ぐ」ものは、先人たちが築いた技術力と、地域・お客様との信頼関係。そして「超えていく」ものは、業界の常識であり、紙の可能性そのものです。次の100年を見据えた挑戦は、もう始まっています。そして、その挑戦の中心には——これから入社する、あなたがいます。
阿波製紙の未来を、一緒につくりませんか?