温故創新

2010年6月18日

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  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ┃                                                                
 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
 ┃                    vol.66 【 2010/ 6/ 18 】        
 ┃                                        
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  https://www.awapaper.co.jp/ 
 ┌──┐
 │目次│   
 └┬─┘      
  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] メモリアルコンサートのお知らせ
  ├ 03:[二 ュ ー ス] 当社OB会総会及び懇親会 開催
  ├ 04:[シ リ ー ズ] 微生物と感染症(第7回:新たな病原物質)
  └ 05:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第15回:シアーズ=ローバック
                        の衰退とウォルマートの大躍進)
 
                       
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┃ ■  ご 挨 拶 ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  温故創新
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                                                    取締役社長 三木康弘


 梅雨に入りました。菅新政権が樹立されましたが、課題は山積し先送りだけ
が行われている様で、甚だ心配を拭いきれません。歴史を尊び逃げずに課題に
挑戦して欲しいと思います。
 参議院選挙が来月行われるにあたり、松下幸之助翁が言われていました、
「経済人がもっと政治に関わって真に日本に有為な若者を選び育て国政に送り
出さなければならない」との言葉に強く共感を覚えるこの頃です。
  偏ったマニフェストは矛盾をはらみ続けますので、早急に根本から刷新され、
そして日本が世界に誇る高い技術と感性豊かな文化の融合したものづくりを世
界に発信していく、誇れる国を新に創って欲しいと願っています。小惑星探査
機「はやぶさ」の帰還という快挙には感動を覚えました。日本の自信を取り戻
した気がします。

 世界に目を向ければ、過去繁栄を極めた南欧をはじめユーロ圏諸国は、財政
懸念や信用不安をきっかけとした混乱が収まらず、米国の覇権も崩れかけてい
ます。その様な中、日本はアジアと共に外需と内需のバランスをもった繁栄が
期待できる恵まれた環境と与えられたミッションが有ると思います。
 「温故創新」という言葉を、京都の200年超える老舗企業から教わりました。
百年を超える企業が世界一多く、密集している国、日本ならではのものづくり
魂で成長のチャンスを掴んで参りたいと思います。



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┃ ■ 今月のトピックス ■
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 │■ トピックス 1 故三木俊治メモリアルコンサートのお知らせ
 ├─────────────────────────────────
 │平成22年6月18日(金)
 │ 7月3・4日、徳島市水際公園にて故三木俊治のメモリアルコンサートが
 │ 開かれます。(主催:NPO法人新町川を守る会)
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news175.html
 └─────────────────────────────────

 │■ トピックス 2 2010年度当社OB会総会及び懇親会 開催
 ├─────────────────────────────────
 │平成22年6月18日(金)
 │ 当社は、6月8日、OB会総会及び懇親会を開催いたしました。
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news174.html
 └─────────────────────────────────



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┃ ■ シリーズ ~微生物と感染症~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  ~ 第7回:新たな病原物質 ~
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                                      取締役常務執行役員  濱 義紹


 狂牛病の名称で一般人にも広く知られるところとなったタンパク質の一種で
あるプリオンが新たな病原物質として出現してきた。
 我が国でも2003年1月にBSE(牛海綿状脳症)が相次いで確認された。プリオ
ンは生物の脳に蓄積して脳組織をスポンジ状に破壊し、哺乳動物を死に至らし
めるのである。
 食肉やコラーゲンが感染源となって他の個体に感染していくという食物連鎖
の中に侵入した恐るべき物質である。大きさは特定されていないがろ過実験か
ら15~50ナノメーターと推定されている。
 プリオン病は、人で発症した場合はクロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれて
いる。今までは感染症の大半を占めるウイルスや細菌を取り上げてきたが、今
回はこれらとは異なる発症メカニズムを持つプリオンを取り上げる。

【種の壁を越える病原体】
 プリオンタンパク質PrPの最も大きな特徴は、細菌やウイルスと異なり、タン
パク質のみから成り立ち、DNAなどの遺伝物質を含まない点にある。
細菌やウイルスは感染した個体の中で遺伝物質を複製しながら増殖するがプリ
オンの増え方は全く異なるのである。
 PrPは正常型PrPと異常型PrPがあり、正常型PrPは異常型PrPに出会うと異常
型PrPに変えられてしまうという作用がある。これは同種同士で起こるが、低
い効率ながら他種のPrP同士でもこの変換が起きてしまうことがある。
 羊のスクレイピーによってできた異常型PrPが牛の体内に取り込まれて牛の
正常型PrPに出会うとこれを異常型PrPに変えてしまう可能性があるのだ。スク
レイピーにかかったヒツジの肉骨粉を通じてBSEが発症し、牛肉に混入したプ
リオンがCJDを引きおこした疑いが強いとされている。
 プリオン病にかかったウシやヒツジの脳などをマウスに与える実験で、マウ
スに同じような症状を起こさせることもでき、食物を通じて哺乳類に感染する
種の壁を越える病原体である。

【動物種によるプリオン病の名称】
 《動物種》   《プリオン病の名称》
  ウシ     BSE(牛海綿状脳症)
  ヒツジ・ヤギ スクレイピー
  ミンク    TME(伝達性ミンク脳症)
  シカ     CWD(慢性消耗性疾患)
  ネコ     FSE(ネコ海綿状脳症)
  ヒト     クールー
         CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)
         GSS
        (ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群)
         FFI(致死性家族性不眠症)

【さまざまなタイプのクロイツフェルト・ヤコブ病CJD】
《CJDのタイプ》 《原因》            《イギリスでの死者数※》
  散発性CJD   不明                 648名
  遺伝性CJD   PrP遺伝子の先天的な変異        38名
  医原性CJD   硬膜移植などの医療行為による感染    41名
  変異性CJD   BSEプリオンに汚染された牛肉から
         感染したと強く疑われている      131名
          ※イギリス保健省発表(1990年~2003年6月2日の合計)

【プリオンタンパク質の構造】
 プリオンタンパク質は正常型と異常型の2種類の立体構造を持ち、αへリッ
クスとβシートというタンパク質の部分構造をあらわすものから成り立って
おり、立体構造が異なるのである。

【プリオンタンパク質PrPのはたらき】
 異常型PrPが増殖する二つのメカニズム説が紹介されている。
 ひとつは、異常型PrPと正常型PrPが1対1で結合し正常型PrPが異常型PrPに
次々と変えられてしまう「ヘテロダイマーモデル」である。
 もう一つは、異常型PrPの塊に正常型PrPが結合し異常型PrPの核が大きく
なる「核依存性重合モデル」である。

【プリオンを分解する菌】
 プリオンは非常に頑丈であるため、プリオン汚染のある肉骨粉や解体した
ウシの肉は800℃以上の高温で焼却処分される。
 この費用は莫大であるため、プリオンを効率よく分解する酵素の研究も行
われ、バチルス菌の株からプリオン不活性化を効率よく行う酵素の抽出に成
功している。

【プリオン病根絶について】
 散発性CJDの発病機構は全く解明されておらず、異常型PrPが自然発生的に
作られる可能性もあり、撲滅したはずのプリオン病が世界のどこかでまた自
然発生する可能性は否定しきれないとプリオン病研究センターの品川センタ
ー長は語っている。


《引用文献》
 Newton臨時増刊  2003年8月号「SARSの正しい知識」 ニュートンプレス



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┃ ■ シリーズ ~技術者のエスプリ~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃ ~ 第15回:シアーズ=ローバックの衰退とウォルマートの大躍進 ~
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                                      取締役常務執行役員  濱 義紹
 

 地方の中学校から徳島市内の進学校へ入学した昭和36年のカルチャーショッ
クを今でも鮮明に覚えている。戦後の復興に向けてアメリカの経済力を見習っ
て世の中が活力を取り戻しつつある時期であった。希望に燃えて入学した高校
の入学式で校長先生の挨拶があったあとにフルブライト留学生の帰国挨拶があ
り、英語でしゃべりまくるのである。当時中学校で習った「Jack and Betty」
など何の役にも立たず大きな衝撃を受けたものだった。
 次のカルチャーショックは大学を卒業してから親しい友人の一人が、時代の
寵児であるダイエーに入社し、社員のアメリカ視察旅行から帰った後、名刺を
もらうと所属課が“物的流通課”と印刷されているのを見て“的”を付けるな
んて何と斬新な名称をつける会社なんだろうとつくづくと感心をしたものであ
った。後々に物的流通がMerchandisingマーチャンダイジングのことだと知った
が、Productプロダクト(製品)が流通に乗ると同じものがMerchandiseマーチ
ャンダイズ(商品)になる。商品にCommodityやGoodsと違う概念があるという
ことは最近認識した。
 さらに友人の土産話で、アメリカではまず知らない人がないといわれている
シアーズ=ローバックという巨大小売企業があることを教わった。
 近年、日本の小売業界に大きな変化が起きているように、いつのまにか経済
大国アメリカの裕福な経済構造の象徴でもあったシアーズ=ローバックがいつ
の間にか超巨大小売業ウォルマートに取って代わられており、ウォルマートは
大躍進をつづけており、シアーズ=ローバックはKマートとの合併を続けながら
も苦戦を強いられている。
 この違いは何なのであろうか。企業の進化と衰退はいつの時代も企業人の最
大の関心事である。シアーズ=ローバックとウォルマートの企業活動を振り返
りながら、現在の企業を取り巻く様々なグローバルな変化への対応がどのよう
に行われているか、優良企業の実例を参考に見てみよう。

【昭和52年当時の世界企業】
 昭和52年当時の世界企業を東洋経済新報社の世界企業シリーズから見ると、
ロイアル・ダッチ=シェル、クルップ、GE、ヒルトン・ホテル、フォード、ク
ライスラー、シアーズ=ローバックの7社の書籍が発刊されている。
 フォーブス世界有力企業番付・ランキング2007年(売上高)を見ると上記
7社のうちロイアル・ダッチ=シェルとダイムラー・クライスラーとジェネラ
ル・エレクトリックとフォードモーターの4社が50位以内にランキングされて
いるが、2010年ではジェネラル・エレクトリックとロイアル・ダッチ=シェル
の2社に減っている。
 ちなみにウォルマートは2007年には1位、2010年には14位にランキング
している。

【流通企業のイノベーター/シアーズ=ローバック】
 (1)最初の革新 ― デパートメント・ストア
   欧米では都市の急激な膨張により1860年代から1870年代にかけてデパー
   トメント・ストアが出現した。
   専門化した小売店の非合理経営から、一つの屋根の下にあらゆる商品を
   陳列し、消費者が一つの店で何でも買えるデパートメント・ストアが小
   売業間の激しい競争を経て発展し始めた。当時は呉服物の小売店が多角
   化していく発展型が多かった。
   試行錯誤を重ねながら近代的・合理的な経営方法と販売方法を確立して
   いった。

(2)第二の革新 ― チェイン・ストア
   1910年までのアメリカでは既に小売業の近代化はかなり進んでいた。当
   時最も大きな小売業はデパートメント・ストアであり、ついでメールオ
   ーダーハウス、第三番目がチェイン・ストアであった。スーパーマーケ
   ットの初期の形式もすでに出現していた。
   1920年代は都市化の進行と自動車の普及による消費者行動の変化に基づ
      き「チェイン・ストア時代」と呼ばれていたほどに一定の商品ラインに
      よる専業化と地域的分散を特徴とするチェイン・ストアが急増した時期
      であった。

(3)第三の革新 ― スーパーマーケットと都市郊外のショッピングセンター
   1930年代に普及した小売業の革新は薄利多売を基本とするスーパーマー
   ケットであった。
   消費者がごく当たり前に自動車で買い物をするほどに自動車が普及した
   ことと、冷凍技術の発展により生肉や冷凍食品を自由に陳列できるよう
   になったことがスーパーマーケットの発展に大きく寄与している。
   さらにショッピングセンターの出現により、「ワンストップ・ショッピ
   ング」という新しい消費習慣が生まれた。

【シアーズ=ローバックの衰退とKマートとの合併】
 1859年に創業したシアーズは、1980年代初頭まではアメリカ第一の小売業で
あったが、巨大化した組織は硬直化し、社内の官僚主義の蔓延などの弊害とな
って現れ始めた1990年代には長年親しまれてきた通信販売事業を縮小し、2000
年には全廃に至り縮小の一途を辿った。
 業界第5位に陥落したシアーズは、1899年に創業した業界第10位のKマート
と2005年に合併し、ウォルマート、ホームデポに次ぐ全米3位の小売業が誕生
した。

【流通業の変化】
 わが国においては、小売業の王者であった百貨店が音を立てて崩れ始めたの
は昭和40年代前半であった。百貨店の王者三越の売り上げをダイエーが抜いた
頃から変化は起こり始めていた。この40数年の間に百貨店はゆっくりと存在感
を失ってしまったが、イギリスでは既に1960年にはこのような淘汰の嵐のまっ
ただ中にあり、消費者の購買場所が都市中心部から急速に出現した郊外型のシ
ョッピングセンターに移動した。
 アメリカでは、一万店近い店舗展開をしていたA&Pと言う世界最大のスーパ
ーマーケットがドイツ企業に買収され、1ドル360円時代にシアーズ=ローバッ
クは日本の国家予算と同じの4兆円の売り上げがあったが、その後Kマートに
追い越された。1位に躍り出たKマートも2002年に破綻し取って代わったのは
ウォルマートであった。

【小売の輪の理論】
 マクネア教授の提唱した小売の輪の理論は「大衆の支持を得た業態の後に
は必ず、その主力業態の価格を下回る業態が出現し、その地位を奪う」とい
うものである。
 米国においてはデパートメント・ストアからゼネラルマーチャンダイジン
グストアに移り、その後はディスカウントストアそしてウォルマートに代表
されるようなスーパーセンターへと移っていった。
 わが国においては、百貨店のあとに量販店(大型チェーンストアー)が出
現し、そのあと1990年代からはカテゴリーキラー型の専門店の出現と成長に
より量販店の存在感が失われている。カテゴリーキラー型の専門店としては
西松屋チェーン、ユニクロ、ヤマダ電器、ビッグカメラ、ヨドバシカメラな
どがある。

【国家を超える40兆円企業ウォルマートの躍進】
 10セント単位の値段に敏感な人々が群がる店が世界最大の売上高40兆円を
稼ぎ出している。そして、ラテン諸国では貧困層に食い込んで増殖し続けて
いる。店舗数は2009年7月の日経ビジネスによると7999店であり最盛期のA&
Pに迫っている。
 コスト削減の手を緩めない世界最大企業はわずか半世紀で40兆円企業とな
り、どこまで強くなるのか恐怖と批判の目で注目されている。
 留まるところを知らない急成長振りは創業以来の成長カーブを見て改めて
凄すぎることを実感する。

【ウォルマートの新興市場での存在感】
 母国アメリカの市場飽和の中でメキシコおよび中米諸国に新たな市場を求
めて新戦略を展開している。ターゲットは貧困層である。
 メキシコでは、貧困層対策として単品売りをしている。たとえば、トイレ
ットペーパー1個から買えるし、まとめ買いの価格と同じ価格設定なのだ。
また、シャンプーから食品に至るまで他の店に比べて一回り小さいサイズを
準備し、ウォルマートで買い物ができない低所得・貧困層の人たちにボデガ
・アウレラという店舗を準備し、442店にまで成長しメキシコでの売り上
げの3分の1の売り上げを占める「稼ぎ頭」となっている。
 一方、メキシコ国内の中所得層、高所得層を狙った事業展開もしており、
低所得・貧困層を含めた全ての所得層をカバーする7業態を動かしている。
メキシコで鍛え上げられた貧困層向けの店舗が中南米に広がっており、所得
格差が広がる世界でこのラテンモデルが猛威を振るっている。
 2009年にはチリとインドにも進出し世界16カ国に進出している。

【ウォルマートの独自戦略】
 ウォルマートの唯一独自の戦略は標的市場の選定である。
ウォルマートはディスカウントストアなので当然中間以下の所得層を標的に
してきたが、他社が大都市を中心に事業展開してきたのに対し、人口5000人
から2万5000人くらいの中小都市を標的として展開してきたところにある。
 住民は自分の町に買い物場所の選択肢がない場合にのみ他の町に出かける
ということを実証し、小規模な都市に巨大な店舗を展開することでその地域
の市場を独占するという“経営戦略”を編み出した。
 ウォルマートの経営目標は創業者サム・ウォルトンが述べたように「顧客
にその望むものを提供する」という“顧客満足の実現”を“勝てる経営戦略”
で実践してきたのである。

【ウォルマートが編み出した市場独占のための4つの経営戦略】
 (1)ITの積極的活用
    POSレジ
 (2)EDLP戦略
    恒常的低価格販売により顧客を他社へスイッチさせない
 (3)従業員重視
    家族的労使関係の構築により質の良い従業員の確保
 (4)拡大戦略
    非食品、スーパーセンター、ネイバーフッド、マーケットという4
    つの業態の提供とワンストップ・ショッピング業態のビジネスモデ
    ルの普及

【CDPスコアーでも活躍の世界4位のウォルマート】
 ウォルマートは環境対策にも力を入れており、ブラジルでは、どぶ川から
回収したペットボトルから毛布をつくる事業を指導し、ウォルマートブラジ
ルで仕入れて現地展開店舗のトドディアやマキシで販売している。
 このような経営姿勢を反映してか、カーボン・ディスクロージャー・プロ
ジェクトの調査結果でも高得点をはじき出している。
 世界の約475の機関投資家が連携し、世界の主要企業に対して長期的な気
候変動対策と温室効果ガスの排出量の公開について要請した。集まった情報
が分析され、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)で公表
されている。2009年度の調査結果でウォルマートは世界第4位にランキング
されている。1位はドイツのバイエル、2位はドイツのBASF、3位はイギ
リスのHSBCであった。
ちなみに日本企業ではトヨタ自動車の52位が最高であった。

【ウォルマートの実像】
 2009年の世界長者番付では、ウォルマート一族4人の所得を合わせると、
706億ドルとなり、1位のビルゲイツの400億ドルを大きく引き離している。
 この感覚でアーカンソー州にある平屋作りの本社をみるとウォルマートホ
ームオフィスという看板がなければ、ここが世界最大企業の本社だとは気づ
かないような質素な建物らしい。訪問客も自分でパソコン操作をして受付手
続きを済ませる。CEOの部屋もわずか5m四方程度で木の壁や絨毯は使い込ま
れくたびれさえ漂わせている。
 壁の真ん中には1号店の絵。米国の田舎町の小さな雑貨店が描かれている。
絵の下には、世界地図。北米・中南米、イギリス、日本、中国、インドなど
16ヶ国進出の現状が示されているのであろう。
 この質素さとは裏腹に2009年6月5日午前6時にアーカンソー州の巨大アリ
ーナで株主総会が行われた。国歌斉唱に始まり、元NBAのマイケルジョーダ
ン、トップアイドルのマイリー・サイラス、メキシコの人気歌手パウリナ・
ルビオ、司会を務めたコメディアンのベンステイラーなどできらびやかに
盛り上げ、本来の目的を失ってしまうようなラスベガスのショーさながら
の壮大な熱狂的な株主総会であったらしい。
 急成長の歪みに苦悩しながら、それを乗り越えるべく、成長モデルを磨き
上げる姿だったと日系ビジネス・ニューヨーク支局の記者は伝えている。

【永続か衰退か・・・不滅の永続企業への挑戦】
 現在の経済情勢の中で如何に会社を永続させるかという命題のもとに企業
人は日夜活動している。しかし近年、設立30年以上の熟年企業倒産が急増し
ており、それとは逆に成長性は会社年齢と共に衰えていくことが日経ビジネ
ス2009年10月12日号で紹介されている。

 ■不滅の永続企業・・・変態への挑戦 3社の決断■
  (1)日本郵船
     日本の海運会社→世界の総合物流会社
  (2)コニカ・ミノルタ
     カメラ・フィルムメーカー ⇒ 事務機メーカー
  (3)アークス
     単独経営 ⇒ 連峰経営

 ■不滅の永続企業・・・永続への5つの道  成功の条件■
  (1)花王・ブラザー工業
     辺境の視点で会社を変える
  (2)東レ
     顧客ニーズで“変態自在”
  (3)三菱商事
     事業の活力を「見える化」
  (4)キッコーマン
     市場を見極め時間差攻略
  (5)シスメックス
     過去の改善と決別する

 ■不滅の永続企業・・・最後の条件、時間軸■
  (1)外向きが若さを造る
     成長タイプ別マッピングを見ると日本企業もM&Aや海外進出など
     の成長手段をとる企業が増え、(急成長)×(狩猟型)にマッ
     ピングされる優良企業が多く見られる。
  (2)製造業のキーワードは「環境」「新興国」
     ホンダ、トヨタ自動車、ダイキン工業、アイシン精機、トヨタ車
     体など永続可能性上位ランキングが100社紹介されている。
  (3)非製造業のキーワードは「進化・連携・変異で生き残る」
     国際石油開発帝石、三菱商事、ニトリ、イオン、住友商事など永
     続可能性上位ランキングが100社紹介されている。

 上記紹介記事の日経ビジネス2009年10月12日号“不滅の永続企業”では絶
えざる変態が衰退を防ぐという主張であったが、引き続き日経ビジネス2010
年2月8日“進化する変態企業 変われない会社は2年で滅ぶ”では「変化に
合わせ、自らの姿を変える」しか生き残る道はないと結んでいる。
 税収を上回る国債発行は実に1946年以来のことであり、太平洋戦争末期の
水準を超えた戦時体制並みのGDP比200%の国債発行が行われる。団塊世代が
年金受給資格を得る2015年までに日本の針路を“(1)リスクをとって成長
へ”か“(2)成長よりも現状維持”のいずれかを決めなければならない厳
しい状況にある。
 このような状況下で企業ごとの経営戦略が試される時期になっている。信
頼できる正しい情報に基づき、不屈の理念で逆風をはね返して行かねばなら
ない。


《引用文献》
 ・世界企業2「シアーズ=ローバック」 鳥羽欣一郎 
  1977年発行 東洋経済新報社
 ・ストラテジー選書4 「ウォルマートの新興市場参入戦略」 
  丸谷雄一郎・大沢武志 2008年8月号 芙蓉書房出版
 ・日経ビジネス 2010年2月8号 “進化する変態企業” 日経BP社
 ・日経ビジネス 2009年10月12日号“不滅の永続企業”  日経BP社
 ・日経ビジネス 2010年1月4日号 “日本を救う夢の技術”日経BP社
 ・環境ビジネス 2010年1月号 ビジネス出版


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