【阿波製紙】知識・見識・胆識

2011年1月11日

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■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┃   機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社
┃                vol.73 【 2011/ 1/ 11 】
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┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ https://www.awapaper.co.jp/
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│目次│
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├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
└ 02:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第21回:技術立社と自律(立)人材)

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┃ ■ ご 挨 拶 ■
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┃  知識・見識・胆識
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取締役社長 三木康弘

辛卯の年が明けました。新たな年を喜ぶとともに、この一年が皆様にとって
飛躍の年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

卯年は株価をはじめ景気が良くなる年と言われます。高く跳ねるためには、
腰を低く落とさなければなりませんが、ここ数年貯めに溜めたエネルギーを如
何に発散させるか、日本経済のみならず政治も社会全般も「如何に変わるか」
が問われる一年になろうかと思います。

安岡正篤先生がよく語られた言葉に「知識・見識・胆識」というものがあり
ます。自らの知識に、過去の経験や未来の可能性を掛け合わせ利他の心で臨む
時それは見識となり、どんな障害をも乗り越え目標に向かう不退転の決意を固
める時、さらに高く広く深い胆識が必要になって来るのだと思います。

多くの企業経営者は常に命がけで、どこにも逃げ場はありません。今年成人
を迎えた社員に対しては、40年以上もの生活を保障する責務があります。もち
ろんその様な責任は一筋縄で果たせるものではありませんが、強い意志をもつ
ことが大切であり、まさに胆識を身につけて事に当らねばならない時と思いま
す。一国の指導者たる方にも、百年の計をもって有言実行し共に命を全うして
頂きたいものだと強く願う次第であります。

今年阿波製紙は、アジアを中心として成長していく世界経済の流れを遠望し、
タイや中国における拠点においても理念の浸透に取り組み、開発及び生販体制
の再構築により新たなお客様価値の実現に全力で取り組んでまいりたいと思い
ます。今年もよろしくお願い申し上げます。

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┃ ■ シリーズ ~ 技術者のエスプリ ~ ■
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┃ ~ 第21回:技術立社と自律(立)人材 ~
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取締役常務執行役員 濱 義紹

危険に対する対処法に予知・感知・認知という言葉がある。

現在の日本の低迷・閉塞状態は予知段階も感知段階も通り過ぎ、誰が見ても
判る認知段階にある。昨年の週刊ダイヤモンド3月27号で経済成長率、一人当た
りGDP、法人税率、消費税率、公的債務残高GDP比、GDPギャップ、失業率、出生
率、株価上昇率、インフレ率、環境パフォーマンス指数などの指数から日本の
相対的地位の急激な低下が取り上げられた。唯一、国際特許出願数がアメリカ
に次いで世界第二位を維持しているにすぎない。

今年の元日の新聞各誌はこの低迷振りを反映するかのように一面記事はやや
悲観的なものや一年の初めのメッセージにしては下記のようにあまりにもビジ
ョンに欠ける精彩の無さが目立った。

日本経済新聞・・・先例なき時代に立つ
産経新聞  ・・・「三都」連携日本を再生
朝日新聞  ・・・先生 答って大事なの?
読売新聞  ・・・流出二日前告知メール
毎日新聞  ・・・社福法人が身売り
徳島新聞  ・・・地デジ移行時のアンテナ受信世帯 県内100%達せず

資源に乏しい日本が勝ち残っていくためには技術で立社、立県、立国していか
ねばならないのは自明の理でありながら、科学技術ビジョンを掲げることや科学
技術発展に必要な失敗体験の積み重ねや遊び心さえ経済至上主義によって失いか
けている。
スポーツや芸能記事でページ数を稼いでいる他紙に比べ地方紙の徳島新聞がお
もしろかった。国産木材で地域再生、東京スカイツリー、地球を冷やそう-ジオ
エンジニアリング、地球再生、幸福度重視の経済へ、延びゆく交通網-徳島発展
支える、未来に開け-北極海航路、太陽光で空の旅などの科学技術関連記事や夢
を語る記事が多く取り上げられていた。
先日新幹線に乗った時、ドアの上の電光掲示板の字幕の広告文の中に「技術立
社」という日本触媒のキャッチフレーズを見つけ、自律(立)する会社を目指し
て今回の標題として使用させてもらった。

【未知の世界への挑戦】

日本経済新聞で取り上げられた「先例なき時代に立つ」の副題は「外で作り、
内で創る」と「安住やめ親世代超える」である。
先例なき時代の説明として次の5項目があげられている。
“これだけの課題を一度に抱えた国はない”

(1)人口減少と少子高齢化の同時進行
(2)年金など社会保障制度の破綻に現実味
(3)10年を超える長期デフレ
(4)20年後にはGDPが中国の4分の1に
(5)国・地方の債務残高、数年内にGDPの2倍に

この“先例のない時代”を夢を掲げて切り開いていくのは人の力である、今回
は人に焦点を当てて述べる。

【「日本でいちばん大切にしたい会社」より】

2年ほど前に東京の八重洲出版の2階にエスカレーターで上がった正面にあっ
たこの本が目に入りぱらぱらとめくって拾い読みをし、そのままもとへ戻したが、
ずっと気になっていたところ、伊那食品工業の塚越会長とお会いする機会を得て
すぐにこの本を購入した。
法政大学大学院の坂本光司教授が全国6000社を訪問取材し「金銭・利益以外の
価値」を切り口とした「日本でいちばん大切にしたい会社」5社である。第二巻
ではさらに訪問取材会社も300社増え、6300社の中からまた5社が選ばれて紹介さ
れている。
これらの会社に共通することは、「五つの言い訳をしない」ことと「五人に対
する使命と責任で一番に社員とその家族を大切にする」ことだそうである。

(1)五つの言い訳とは

問題は「内ではなく外と」嘆き悲しむ、被害者意識に凝り固まった他力本願タ
イプの中小企業の五つの言い訳をここに挙げた会社はことごとく否定する。

[1]景気や政策が悪い
[2]業種・業態が悪い
[3]規模が小さい
[4]ロケーションが悪い
[5]大企業・大型店が悪い

(2)五人に対する使命と責任(幸福の追求、幸福の実現)を果たすための活動
が企業活動

五人とは次の[1]~[5]である。

[1]社員とその家族
[2]社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族
[3]現在顧客と未来顧客
[4]地域住民、とりわけ障害者や高齢者
[5]株主・出資者・関係機関

会社にとって「顧客」より大切なものは社員とその家族である。「企業の盛衰
を決定付ける最大の人」といわれてきた顧客より何故「社員とその家族」が重要
な存在か。
それは、自分が所属する会社や組織に不平・不満・不信感をもった社員や、自
分が所属する組織に感動や愛社心を持ち合わせない社員が、顧客に対して心をこ
めた接客サービスや、感動的商品の創造提案をすることなどできるはずがないか
らであり、上記の順番で大切であり、順番を間違えてはいけないと著者坂本光司
教授は力説している。
坂本光司教授の著書「日本でいちばん大切にしたい会社」で取り上げられてい
る10社の名前と特筆すべき経営内容を次にご紹介する。

【日本でいちばん大切にしたい会社たち】

◆第一巻に取り上げられている会社

[1]日本理化学工業株式会社(神奈川県)
「障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場を作りたい」

[2]伊那食品工業株式会社(長野県)
「社員の幸せのための経営」「戦わない経営」を貫き、48年間増収増益

[3]中村プレイス株式会社(島根県)
「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様
が訪ねてくる

[4]株式会社柳月(北海道)
地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく

[5]杉山フルーツ(静岡県)
「あなたのお客様でほんとうによかった」と言われる、光り輝く果物店

◆第二巻に取り上げられている会社

[1]株式会社富士メガネ(北海道)
「困っている人を助けたい」―世界の難民や中国残留孤児に「視力」を
贈る感動のメガネ店

[2]医療法人鉄焦会亀田総合病院(千葉県)
「もう一度入院したい」と患者が言う病院のモットーは、
「Always say YES」

[3]株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」(埼玉県)
「日本人の食糧不足を何とかしよう」-使命感に燃えて牧場を経営、
「農業のディズニーランド」を実現する

[4]株式会社アールエフ(長野県)
「小さな命をもっと救いたい」世界が驚くカプセル内視鏡を開発、
「人間の幸せ」を追い求める中小企業

[5]株式会社樹研工業(愛知県)
社員は先着順で採用、給料は「年齢序列」の不思議な会社

【小善は大悪に似たり】

京セラの稲盛和夫会長が「京セラフィロソフィー」の中で自身の体験による
葛藤の中から導き出された普遍的な「人を育てる」極意が61番の「小善は大悪
に似たり」の項に記されている。
その冒頭の文言は、「人間関係の基本は愛情をもって接することにあります。
しかし、それは盲目の愛であったり、溺愛であってはなりません。表面的な愛
情は相手を不幸にします。真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に
良いのかを厳しく見極めることなのです。」と述べている。

【社員に優しくしなければ・・・/真っ赤になって部下を叱っている自分】

しかし、稲盛氏は大善を為すに至るまでの葛藤を次のように語っている。
『私は一貫して利他の心、優しい心、思いやりの心、純粋な心、美しい心を持
ちなさいと説いてきたし、事業に対してはチャレンジ精神、勇気を持つことと
同時に優しい心を持つように心がけてきた。しかし、いざ事業を始めてみると
どうしても社員に小言を言わなければならないし、時には厳しく叱責しなけれ
ばならない。場合によっては“君は辞めてくれ”ということまで言わなければ
ならない。
経営者になったとたん、自分の会社を良くせんがために、今まで自分が抱い
てきた人生観に反するむごいことを従業員に要求し始めた。いよいよ自分は悪
の本性を現した。と思えた。このことで私は非常に悩みました。かねて心に思
ってきたことと言っていることが矛盾していることで私は長い間悩まされてい
ました。そのときにふと耳にした話に解を得たのです。』
それがIBMの社是だったことが述べられている。

【IBMの社是からのヒント】

稲盛氏が解を得た話をさらに引用すると、

『IBMの社是には「社員を大事にする」という表現があるそうです。IBMの社員
は日本と同じように長く勤める社員が多いと聞きます。IBMの社是の説明に、
次のようなたとえ話がでてくるそうです。
ある北国の湖の畔に、心優しい老人が住んでいました。湖には毎年、雁の群
れが飛んできて冬を過ごします。優しい老人はいつとはなしに、湖に集まる雁
たちに餌を与えるようになりました。雁は水辺に寄ってきては老人がくれる餌
を喜んで食べていました。来る年も来る年も老人は餌をやり続け、雁もその老
人からもらう餌を越冬の糧とするようになりました。
ある年もまた、雁の群れがその湖にやってきました。いつものように餌をも
らいに水辺によっていきますが、老人はいつまでたっても現れません。毎日、
水辺に寄っていっては待ち続けるのですが、やはり老人は現れません。老人は
すでに亡くなっていたのです。その年、寒波が襲来し、湖が凍結してしまいま
した。老人が現れるのをひたすら待ち続け、自分たちで餌を捕ることを忘れて
しまった雁たちは、やがて皆餓死してしまったのです。
そして、IBMではこのような社員の育て方はしません。と書かれているそうで
す』

このころ仏教の教えより「小善は大悪に似たり」という言葉を見つけ、長い
間悩んでいた稲盛氏を助けた言葉こそ「小善は大悪に似たり」であったことが
述懐されている。

理科離れの激しいといわれている昨今、大善を為して自律(立)する技術者
を育てることが、第二次世界大戦後の理科教育最盛期に育てられた我々世代の
使命であると思う。
2+3=AのようなAを求めるクイズ型人材でなく、X+Y=100のような幾通りものX
やYを考え、目的の“夢100”に向かうことができる“行動するパズル型人材”
を育てていきたいと考えている。

《引用文献》
・週刊ダイヤモンド 2010年3月27日号 株式会社ダイヤモンド社
・日本経済新聞 1月1日  日本経済新聞社
・産経新聞 1月1日  産業経済新聞大阪本社
・朝日新聞 1月1日  朝日新聞大阪本社
・読売新聞 1月1日  読売新聞大阪本社
・毎日新聞 1月1日  毎日新聞大阪本社
・徳島新聞 1月1日  徳島新聞社
・「日本でいちばん大切にしたい会社」 坂本光司 2008年 あさ出版
・「日本でいちばん大切にしたい会社 2」 坂本光司 2010年 あさ出版
・京セラフィロソフィー 稲盛和夫 2009年 稲盛塾事務局

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