【阿波製紙】機(つぼ、勘所)を活かす

2012年2月21日

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  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ┃                                                                
 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
 ┃                    vol.86 【 2012/ 2 / 21 】        
 ┃                                        
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  https://www.awapaper.co.jp/ 

 ┌──┐
 │目次│   
 └┬─┘      
  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] JAPAN SHOP 2012に出展   
  ├ 03:[二 ュ ー ス] ライティングジャパン2012に出展  
  └ 04:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第29回:一面の真理)
            
                       
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┃ ■  ご 挨 拶 ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃ 機(つぼ、勘所)を活かす
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                                   取締役社長 三木康弘


 春を目前に控え余寒なお厳しいこの頃でありますが、新年度に向けて余念な
く準備に奔走されていることと存じます。大きな変化に臨む時は、期待と不安
で胸を膨らませながらも勇気を持って挑戦していかなければなりませんが、年
を経ると安定が一番と保守的になりがちです。

 フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、2月1日上場申請の際
「ほとんどの企業は成長するにつれ、失敗を恐れるようになる。しかし世界は
激しく変化し、もっともリスクが高いのはリスクを取らないことだ」と語りま
した。時価総総額1000億ドルとも言われる企業価値を生み出した若干27歳のト
ップの言葉です。

 ネット上で写真にコメントを付けてもらおうという小さな思い付きから、興
味関心をとことん深化させて世の中を変えてしまった青年の素直な言葉と思い
ます。最初から大きな目標を持って始めるビジョン達成型経営というより、創
業時の思いをとことん進化させ周囲の人の笑顔を願い、置かれた状況の中でベ
ストを尽くしていく理念追求型経営であり、機を活かしたチャレンジの積み重
ねによる偉大な成功例であると思います。

 安岡正篤氏は物を正しく見る三原則として、「(1)長い目で目先に捉われ
ず見る(2)高い目で大所高所から見る(3)深い目で根本を見る」と言われ
ました。当社は地方の和紙メーカーから特殊紙事業へ転換を図り60年を超えま
した。当時の思いを振り返り、変化の中に機(つぼ、勘所)を見つけて紙を超
える機能材「KAMI」をいかに活かせるか、沈思黙考して参りたいと思います。
共に新しい時代を創造するパートナーとしてご縁を深めて頂けることをお願い
申し上げます。



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┃ ■ 今月のトピックス ■
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 │■ トピックス 1 JAPAN SHOP 2012に出展
 ├─────────────────────────────────
 │平成24年2月21日(火)
 │ 当社は、3月6日(火)~9日(金)の4日間、東京ビッグサイトにおいて
 │ 開催されます店舗総合見本市『JAPAN SHOP 2012』の「とくしま産業振興
 │ 機構ブース」に出展いたします。
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news217.html
 └─────────────────────────────────

 │■ トピックス 2 ライティングジャパン2012に出展
 ├─────────────────────────────────
 │平成24年2月21日(火)
 │ 当社は、1月18日(水)~20日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて
 │ 開催されました『ライティングジャパン2012』の「とくしま産業振興機構
 │ ブース」に「紙製放熱フィン」を出展いたしました。
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news216.html
 └─────────────────────────────────



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┃ ■ シリーズ ~ 技術者のエスプリ ~ ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃  ~ 第29回:一面の真理  ~
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                              取締役常務執行役員  濱 義紹


 世界中でいろいろなことが進行し、その情報がいろいろな視点から報道され、
何が真実なのか、しばらく時が経たないとわからないことが多い。何10年も経
ってから事実が公表されることもある。
 わずか400年前には天動説が真理とされ、現在では誰も疑わないコペルニクス
の地動説は、当時、宗教的理由から罪に問われた歴史がある。第二次世界大戦
後、新たな日本再生のためにどのようにすべきかを形而上学的視点から若者た
ちが真正面から真剣に取り組み、学生運動という形に発展し、東大紛争と浅間
山荘事件で事実上の収束を迎え、日常的に形而上学を語る人を見かけなくなっ
てしまった。
 我々の世代に最も注目された弁証法的唯物論を国家的規模で実験をしたソ連
は内在する自己矛盾により崩壊してしまい、資本主義・自由経済・議会制民主
主義が社会主義に勝利する結果で終わったかと思われたが、社会主義・統制型
自由経済と資本主義・自由経済が混在するという教科書には載っていない異次
元世界に突入している。
 一般に信じられてきた安全神話、成長神話が次々と崩れてしまい、人の生活
にもっとも大きな影響を及ぼす経済活動の低迷防止のため、中小企業において
も、次の拠り所であるグローバル展開ができる成長戦略の根拠となる考え方が
必要となってきている。
 45年前の大学の教養課程で、法学の教授の「真理は一つではない、いま、真
理だと信じていることは現在においてみんながそのように思っているだけであ
り、時代が変わり、場所が変わると真理ではなくなることがあるのだと。目の
前の真理と思っていることは、多面体の一面が脚光を浴びている“一面の真理”
に過ぎないのだ」との講義の言葉が今でも耳に焼き付いている。
 今回は事実と真実と真理に関することを取り上げ、次の拠り所を探ってみた
い。

【ケース・スタディに見る統計のトリック ―― 成功事例が事実を歪める】

 個別の企業や経営者について研究されるケース・スタディは、そのほとんど
が成功事例をとりあげたものである。
 ビジネスマンはそこから成功の手法を学び、自社に当てはめようとして、い
ろいろなケースを研究、検討している。
 しかし、成功事例から導かれる結論は失敗事例を無視しているので事実とは
言い切れない。成功事例ばかり見ていると、統計学でいう「選択バイアス」の
罠にはまってしまう。

選択バイアスの三つの落とし穴を次にご紹介する。

(1)人気のある経営慣行の過大評

 不確実性の高い経営施策が普及していくにつれて、その後の成功と不成功の
 ギャップが拡大するが、倒産企業を除いて既存企業のみでデータを整理する
 と、不確実性の高い経営施策を採用したほうが企業業績があがるというグラ
 フが出来上がる。
 通常は不確実性の高い経営施策を取らないほうが比較的安定している。

(2)優れた業績はさらに優れた業績を生み出すという事実

 10回の陸上レースにたとえると、一回一回同じレースを戦い、それを勝ち抜
 けば実力であるが、一回目に勝ったランナーにハンディでなく一分の先行出
 発権を与えればまた一回目の勝者が二回目も勝ち、さらに三回目、四回目へ
 とつながっていけば一回目の勝者が勝ち続けるのである。
 ほとんどの産業はこの仕組みで動いている。現在の業績は過去の業績によっ
 て不当に増幅されてしまうのであるという事実を知らなければならない。

(3)因果関係の逆転

 データを見る限り、企業文化と企業業績の間に強い相関が示されていると見
 られている。個性的な企業文化が高い業績をもたらすと言われているが、実
 際は、高業績そのものが企業文化に影響を及ぼしやすく、健全な業績企業の
 ほうがいろいろなプログラムや施策を実施できる余裕があり、チーム主義の
 文化を築きやすいのである。
 ニワトリが先か卵が先かのという類の問題であるととらえられているが。

【選択バイアスの代表的エピソード】

 第二次世界大戦中、統計学者エイブラハム・ワルドは敵からの攻撃に対する
戦闘機の脆弱性について調査していた。
 入手したデータはいずれもある部分の被弾頻度が過度に多い。軍関係者は
この頻度の多い部分を補強すべきだと結論を出した。しかし、ワルドの結論は
全く正反対で、最も被弾の少ない部分を補強すべきだと主張した。
 致命的な部分に被弾すれば帰還できなくなる。被弾しても致命的な部位を攻
撃されなかった戦闘機のみが帰還できたのであり、「被弾に耐えて帰還した戦
闘機の傷んだ部分を補強しても何の意味もない」とのワルドの結論であった。
 我々も日常の情報からこのような選択バイアスによる致命的判断ミスを犯し
ていないか、複眼思考を要する。

【情報内容の真贋】

 我々が日常入手する情報の多くはマスコミやインターネットからのものであ
り、真贋の判断は極めて難しい。日常業務の中の顧客情報も、報告者からの二
次情報である報告内容から判断するため、相手の真意が少しずつ事実から離れ
ていく。事実に一番近い方法は、できるだけ一次情報を自分で取ることである。
田原総一郎氏の推薦する22冊の企業・経済小説は、集めた事実情報に圧倒的な
想像力を働かせ、実在モデルを登場させるという新聞やテレビにはできないタ
ブーへの挑戦により、真実に迫っていくパターンのものである。
 企業人である我々が、同様の事態に直面したときに、真贋を判断するための
準備はしておかねばならない。

【教育基本法と真理】

 真理とは一体何であろうか。
 昭和22年に制定された教育基本法第1条(教育の目的)では次のように書か
れている。「教育は、人格の感性をめざし、平和的な国家及び社会の形成者とし
て、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的
精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」
と書かれている。ここに記されている真理とは何なのだろうか。真理と書かれ
ている以上、真理は存在するはずである。

【プラグマティズムと真理】

 戦前の哲学者はドイツやフランスの哲学を尊重し、アメリカのプラグマティ
ズムを見下していた。しかし、プラグマティズムをバックボーンとしたアメリ
カに敗戦した結果我が国でも本格的な研究が始められた。
 プラグマティズムの説く真理は、「人間及び社会の発展に役立つか否か、有
用な結果をもたらすかどうか、それによって真理は決定される」というものだ。
 言い換えれば「真理とは人間の目的を果たし、希望を満足させ、その生活
を発展させるものである」ということだ。
 プラグマティズムは真理をつかむための方法論なのである。我々は戦後ア
メリカ文化の影響で、知らず知らずのうちにプラグマティズム的発想で動かさ
れてきているのだということを自覚しなければならない。

【「知」の絶対真理に迫る哲学・思想の変遷】

 湯浅赳男氏の著書より、真理を探求する哲学、人間存在の本質に迫る哲学か
ら真理について考えてみたい。

(1)哲学・思想の母胎となった宗教
   人間はどこから来てどこへ行くのかという、「死」を考えることが宗教
   発生のきっかけであった。

(2)宗教から離れて成立した政治思想
   秩序と安全を維持するために、国家と人民を統治する政治思想が生ま
   れた。

(3)政治から離れて成立した経済思想
   人間の集まるところ「政治」ありと同じく、人間の集まるところ「経済」
   あり国の行方や世界を動かす経済思想として発展。

(4)新たな転換に向けた現代の哲学思想
   20世紀に入ってそれまでに全く存在しなかった考え方が出現している。
   宗教でもない、哲学でもない、自然科学でもない、政治学でもない、
   経済学でもない、社会学でもない、そのいずれにも属さない考え方で
   ある。アリストテレス以来の科学分類が今日まで使われてきたが、そ
   の枠組みでは解決しなくなり、科学の構造が変わろうとしており、規
   制の枠組みにはまらない学際的考え方が生まれてきているのだと湯浅
   氏は説明している。

 そして、[1]精神分析学、[2]大衆社会論、[3]構造主義、[4]文明に対す
る批判、[5]新しい文明論の5分野において[1]フロイトからユングへ、[2]
オルテガからマンハイムへ、[3]レヴィストロースからフーコーへ、[4]シュ
ペングラーからトインビーへ、[5]ハンチントンからエマニュエルトッドへの
考え方と流れが湯浅氏の著書で転換期としての20世紀の哲学・思想が紹介され
ている。

【13宗56派 ―― 解釈の違いから生まれる宗派、学派】

 世界遺産を見るとどの地域においても、宗教の絶大な力がうかがえる。わが
国においても真理について語るには宗教史は無視できない。インドでお釈迦様
の説いた説法がわが国においてだけでも何故これだけの宗派に分かれてしまっ
たのであろうか。
 日本の戦前の仏教は13宗56派あったという話を、知り合いの僧侶から聞いた
ことがある。日本仏教に宗派ができたのは平安時代であり、二大宗派が起源で
あるが、鎌倉時代には新宗派が生まれ、黄檗宗以外の12宗派が出揃った。
 飛鳥時代の法相宗に始まり、華厳宗、律宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土
真宗、融通念仏宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、時宗、そして江戸時代の黄檗宗
で13宗派が出揃った。
 これらの旧来の仏教に加え、戦後の新興宗教の躍進はすさまじく、神道、従
来の仏教、新興宗教を合わせると、登録宗教法人は18万、統計上の宗教信者数
は2億人を上回っている。
 日本のお手本となった中国仏教も古来の儒教、道教と融合し解釈の違いでた
くさんの仏教学派が生まれた。のちに日本僧が13に系統分けし「十三宗」と名
づけた。
 毘曇宗、成実宗、律宗、三論宗、涅槃集、地論宗、浄土宗、禅宗、摂論(し
ょうろん)宗、天台宗、華厳宗、法相宗、真言宗の13宗に分類された。
 世界の宗教を見るとキリスト教33.2%、イスラム経20.4%、ヒンドゥー経
13.3%、中国民間宗教5.9%、仏教5.8%、ユダヤ教0.2%、その他(無宗教を
含む)21.2%という思考母体があるという事実を知っておかねばならない。

【織田信長による安土宗論】

 歴史書としてその信用価値が高く評価されている信長公記(しんちょうこう
き)は、織田信長(1534~1582)に仕えた太田牛一(1527~1610)によって記
された16巻の書である。
 巻12に有名な法華宗・浄土宗の宗論が残されている。
 関東から来た浄土宗の長老が安土の町で説法をしていた会に、若い法華宗徒
が問答を仕掛け、法華宗側から宗論をやろうというところまでエスカレートし
ていったが、臣下に法華宗徒も多い織田信長の考えで斡旋をするから大袈裟な
ことにしないようにと信長の使者が両宗に伝えた。
 浄土宗側は信長の指示に従うとの回答に対し、法華宗側は勝つ見込みでおご
り高ぶっていたため宗論にまで持ち込んでしまった。
 結果は浄土宗の勝利に終わったが、信長は両宗の当事者は褒め称え褒美を与
え、審判にも褒美を与えたが、騒動を起こした法華宗徒大脇伝助と裏で操作し
ていた妙国寺の晋伝を斬首刑とし、法華宗には次のような誓約書を書かせて一
件落着させた経緯が描かれている。


◆誓約書

謹んでつぎのとおり誓約いたします

一、
このたび近江の浄厳院において浄土宗と宗論をいたし、法華宗が負けました
ので、京都の僧晋伝および塩屋伝助が成敗されました。

一、
今後は他宗に対して決して非難はいたしません。

一、
法華宗に寛大な御処置を賜りまして、誠にありがとうございます。
私ども法華宗の僧はいったん宗門を離れ、改めて御許可を得てから前職に
就かせていただきます。

天正七年五月二十七日                   法華宗


 信長が塩屋(大脇)伝助を裁いたとき「一国一郡を支配する身分でもすべき
ことではないのに、お前は俗人の塩売りの町人ではないか。このたびは霊誉長
老の宿を引き受けたにもかかわらず、長老の応援もせず・・・・・」というく
だりがあり、ドラマなどで紹介されるデフォルメされた信長のイメージとは全
く異なり、道理に沿った名判決であると感じた。
 司馬遼太郎や吉川英治の視点で歴史を見てきた我々世代は、その時代に生き
た一次情報を伝える生の歴史書(信長公記など)から事実を学ぶべき大切さを
実感している。

【アカルイあきらめ ―― 想定外に対応する力】

 福島県の地にある臨済宗僧侶でもあり作家の玄侑宗久が「ビジネスマンと般
若心経」というテーマで執筆依頼された記事が載っている。
 ビジネスマンとその他の人々の違いに焦点を当てている。ビジネスマンは厳
密に計画どおり事を進めなくてはならないと思い込んでいる。
 主婦、子どもにも計画はあるが極めて自由度が高い。農業従事者も計画はあ
るが環境や天候に左右され思い通りにならないことが多いので、雨が降り続い
ても台風が来ても明るく諦めている。想定外も想定内なのであると著者は説く。
計画通り進められなくて暗くなっているのがビジネスマンであると説明してい
る。
 明るくあきらめることが仏教では「空」と呼ばれ、それについて書かれた書
が「般若心経」である。戦後強調されすぎた個性により生じた「わたし自身」
が「苦」を生み出し、欝になってしまったりする。「苦」からの解脱が釈尊の
終生のテーマであったことから、瞑想の世界に入ったが、専門的訓練を要する
ため、一般人がこの世界に入る簡単な方法が「般若心経」の咒文の力であり
「無思考な時間が最良の判断を導く・・・」との信念に基づき、玄侑宗久氏は
咒文としての「般若心経」を薦めている。

【真理を見抜く力を養う ―― 考える習慣】

 2月初旬のNHKの「課外授業ようこそ先輩」で感染症と戦う進藤菜邦子さん(
WHO医務官)の活動が紹介された。
 母校での授業で、国連の活動を教える場面が出てきた。日本が中心に置かれ
ていない世界地図を見せて小学生の固定観念を先ず除き、つぎに国連での感染
症患者と接したあとの菌やウイルスを想定した塗料を吹きかけた衣服の塗料が
手につかないような脱ぎ方や捨て方を指導し、世界を舞台として働く人の地味
な一面を体験させるところから授業が始まる。
 次に国連の課題を東日本大震災に当てはめて何ができるかを子どもたちに考
えさせ、ポストイットを使用して模造紙の上に意見を系統的にまとめさせるも
のであった。
 課題は経済的問題、人道的問題、平和と安全、社会的な問題、各国への働き
かけや協力という国連テーマを国連で進藤さんが実際にやっている方法を用い
て東日本大震災につい議論し、生産力の回復、食料を安定的に届けるなどの実
際に使える解決策を自分たちで資料調査もしながら導き出していくものであっ
た。
 この意見出だし作業を通じて、震災対応はスピードと優先順位が大切である
ことを進藤さんは子どもたちに教えていた。
 単なる机上の空論でなく現実に沿った議論と調査と対策が国連のやり方で的
確に行われている姿を見て、考える習慣を通じて一面の真理を深く見つめる洞
察力と課題解決能力が養えると感じた。

【日本が開く次のステージ】

 次の時代を正しく判断していくために何が必要なのであろうか。
「超先進国日本が世界を導く」の著者日下公人氏は経済も人間生活も「量の充
実」から「質の充実」に変わったと考えれば、従来の経済指標に右往左往する
必要はなく、次のステージを開く地点に立っているのだとし、1970年以降世界
に起こった大きなトレンドを下記のように捉え、脱近代の時代をリードするの
は日本であると主張している。

・静止人口と静止経済(低金利と低成長)
・国家と国民の解消(国際化、グローバル化)
・経済より精神へ
(量より質、発展より安定、科学の進歩より人間的価値観の再建、幸福の普及)
・エコロジーの大合唱
・新興国の台頭

 脱近代の時代という新たな命題を掲げ、日下氏の提唱する上記事実より課題
を抽出し、各分野毎に次世代をどのように切り開いていくかという課題解決に
向かう新たな成長戦略を必要とする重要な岐路に立っていることを感じる。



《引用文献》
 ・「考える技術」の教科書 Harvard Business Review for Junior Managers 
   ハーバードビジネスレビュー別冊12月号 2008年 ダイヤモンド社
 ・賢者の本棚 PRESIDENT+PLUS 2010年 プレジデント社
 ・文部科学省Webサイト 教育基本法第1条(教育の目的)
 ・哲学用語の基礎知識 高間直道 1961年 青春出版社
 ・哲学・思想のすべて 湯浅赳男 2008年 日本文芸社
 ・一冊でわかるイラストでわかる 図解宗教史 2010年 成美堂出版
 ・現代語訳信長公記(下)太田牛一著 中川太古訳 2006年 新人物往来社
 ・「般若心経」入門 プレジデント2010年12月25日号別冊 プレジデント社
 ・「超先進国」日本が世界を導く 日下公人 2012年 PHP研究所



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