【阿波製紙】調和と果断

2012年5月22日

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  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ┃                                                                
 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
 ┃                    vol.89 【 2012/ 5 / 22 】        
 ┃                                        
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  https://www.awapaper.co.jp/ 

 ┌──┐
 │目次│   
 └┬─┘      
  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] 平成23年度四国照明賞を受賞
  └ 03:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ(第32回:意思決定の質)
                       
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┃ ■  ご 挨 拶 ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃ 調和と果断
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                                                   取締役社長 三木康弘


 今月21日朝、曇り空の中に綺麗な金環日食を見ることが出来ました。続いて
のダイヤモンドリングもしっかりカメラの中に収められ、天空ショーを楽しみ
ました。日本では昭和62年沖縄で見られたものから25年ぶりに、本州では129
年ぶりの観測だったそうです。古くは神話の天岩戸伝説が日食の記述ではない
かと囁かれたり、1183年の源平合戦の最中に起った金環日食で天体知識を持っ
ていた平氏が一時的に戦況を盛り返したとか、色々な逸話が史実として多く残
されています。見事な宇宙の摂理と人類の歴史が偶然なのか、必然で存在して
いるのか分かりませんが、不思議な何かを感じます。

  常に調和を求めつつ生成発展している宇宙の神秘に畏敬の念を抱きつつ、反
することの無い事業活動を追い求めて行きたいと思います。
 いま原子力発電の是非が盛んに議論されていますが、危険だと言って利用を
諦めるのか、世界をリードする安全な活用方法の確立を目指すべきなのか、態
度を保留し先送り出来る状況にはないと思います。原発依存度が高かった四国
ですが、猛暑であった2010年比で△7%の節電努力を要請されています。更に
関電への電力融通が行われると、厳しい夏を迎えることになりそうです。

 当社は製造業として、社会に必要なものを供給し続ける責任を果たしつつ、
無駄をなくし知恵と投資によって節電に努力していきたいと考えております。

(平成23年度四国照明賞を受賞)
 ⇒ https://www.awapaper.co.jp/company/news224.html

 また様々な困難に直面しても、貴重な体験を成長のために生かすべく、調和
を心掛け解決策を模索し、果断をもった行動が大事と考えます。



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┃ ■ 今月のトピックス ■
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 │■ トピックス 1 平成23年度四国照明賞を受賞
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 │平成24年5月18日(金)
 │ 当社は、本社本館が四国照明賞を受賞いたしました。本館の全ての照明
 │ 器具にLED照明を採用するなど省エネと機能性を兼ね備えたオフィスを
 │ 実現しているとして評価されたものです。
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news224.html
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┃ ■ シリーズ ~ 技術者のエスプリ ~ ■
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┃  ~ 第32回:意思決定の質  ~
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                              取締役常務執行役員  濱 義紹


 時代の大きな転換期には大きな決断を迫られる。決断の根拠となる情報は、
戦争やビジネスの世界では非常に大きな存在であり、過去の戦争においては情
報を制するものが勝敗を制すると言えるほどに、情報戦が繰り広げられた。イ
ンターネットの普及により、現在、いろいろな情報が世界中でリアルタイムに
入手できる時代となった。このような時代においては情報入手の速さはもはや
武器とはならなくなってきた。

 先日テレビで放映されていたハンス・ロスリングの講演の中で、Big Dataの
統計処理により未来予測と未来をコントロールし世界人口を90億人で安定化さ
せる提案がなされていた。

 これなども膨大なデータをどのように扱い、武器としていくのかの良い例で
ある。
これからはさまざまな情報の組み合わせで組織独自の方向付けを行い、差別化
戦略や成長戦略としていかねばならない時代になっている。
 情報を知識とし、知恵を発揮していろいろな知識情報と経験則を組み合わせ
て創造性を発揮し、問題解決のために行動していかなければならない。
 今回のテーマの"意思決定の質"については、いろいろな状況の下で意思決
定を迫られたとき、企業がそして個人がどのような決断を下したか、著名人の
興味深い実例から引用してみた。そして、意思決定の質を高める手法に言及し
たい。

【孫正義の意思決定】

 以前にも兵法について述べたときに孫子の兵法になぞらえて孫正義氏が展開
する「孫の二乗の兵法」をご紹介したことがある。
ソフトバンクアカデミアでの特別講義「意思決定の極意」で結論を「あなたが
リーダーならどちらを選びますか」という二択方式で出席者に問いかけながら
進めたものを「孫の選択」として結論をまとめたものである。質問30問より
5問を抜粋し、受講者にも回答を求め、孫正義氏の答として「孫の選択」を紹
介し、その根拠を説明する形で構成されている。ビジネスの最前線で経営者が
直面する最終の意思決定を要する諸問題を取り上げた残り25の質問内容と孫
正義氏の意思決定の根拠については本書を読まれたい。

《質問2》突然の大病に倒れた。療養に専念しなければ生命の保証はない。
 
  A:療養に専念し、早期の復帰を目指す
  B:病身を押して経営に専念

  会場の答・・・Aが3分の2
  孫の選択・・・A+B   
  (根拠・・・原本参照)

《質問3》二つの主力事業のうち、一つが大赤字。赤字事業をどうするか。

  A:部分的に撤退して建て直しを図る
  B:見切りをつけて完全に撤退する

  会場の答・・・AとBが半々
  孫の選択・・・A 
  (根拠・・・原本参照)

《質問13》未知の新規分野に投資する。

  A:まずは小さく投資する
  B:大規模な投資で、市場そのものをつくる

  会場の答・・・Aが30%、Bが70%
  孫の選択・・・B
  (根拠・・・原本参照)

《質問24》リストラは行うべきか。

  A:必要に応じて行うべき
  B:行うべきではない

  会場の答・・・Aが30%、Bが70%
  孫の選択・・・B   
  (根拠・・・原本参照)

《質問26》戦略的なパートナーはどのように選ぶべきか。

  A:条件の厳しいナンバーワン企業
  B:組みやすい相手を選ぶ

  会場の答・・・Aが70%、 Bが30%
  孫の選択・・・A
  (根拠・・・原本参照)

【サムスンの意思決定】

 1997年のIMF危機後の韓国が歩んだ成功への道については、前々回の「選
択」で述べたように、日本経済に追随していくことをやめるという意思決定に
あった。
 新興国の経済規模が巨大化していく中で、世界経済はグローバルな戦いに移
行しているということを理解し、世界を相手にするビジネスはリーグ戦でなく、
トーナメント戦だということを察知したところに韓国の現在がある。
 競争に勝つためには、開発投資を抑えるために、日本のメーカーから人材を
採用し(ジャパンプロジェクトという)、後発となっても「ニーズに合わせた
多品種少量生産」ができることで圧倒的な優位に立てると判断したところにも
う一つの勝因がある。
 そして、そのやり方はベンチマーク方式による先行商品のコピー商品作り(
コピーエンジニアリング)からは脱却し、新たな機能の足し算や引き算ができ
るリバース&フォワード・エンジニアリングという方法で新市場を作り出して
いったのである。

【カオスの時代における"変化への対応"を基本とした決断思考と意思決定】

 過去のやり方が通用せず、未来予想もうまくできない中で、どんなことも自
分で考え自分で決めていかなければならない時代への対応のため、京都大学の
意思決定の授業内容の一部を紹介する。
 ルールが変わらない世界ではブレないことが賞賛されるが、不確実性の高い
ビジネスの世界で生き残っているベンチャー企業は、状況が変わったらすぐに
戦略を変えないと倒産してしまうため、ほとんどのケースにおいて戦略をころ
ころと変えているのだと説明している。
 既得権益のなかで生きていくのであれば、ブレなくてもいいが、最前線で戦
うことを選ぶなら、知識・判断・行動以外に修正の考え方を身につけ、「ブレ
る生き方」を目指せと指摘している。変化に対応できないことが最大のリスク
であると。
 先送りについても言及しているが、先送りするということは今の最善策を導
き出さずに、「決断しないという大きな決断」をしているのだとも述べている。
 この書の教えは、正解はないという視点に立った思考法にある。知識・判断
・行動の三つをつないで考え、最善策を導き出すために議論し、具体的に考え、
メリットデメリットを比較し、反論を重ねて深く考え、議論における正しさを
追求し、武器としての情報収集を行い、最後の最後は主観で決める。決断する
ということはその根拠が反論に耐え、今の最善策を導き出し、結論を出すこと
こそ重要なのだと説明している。

【グーグル日本法人前社長 辻野晃一郎氏の意思決定】

 「アップルはコンピューター業界のソニーになりたい」と語ったアップルの
故スティーブ・ジョブズが愛し、憧れたソニー、サムスンが目標としたソニー、
そのソニーでVAIO、スゴ録などの大ヒット商品を生み出したグーグル日本法人
前社長の辻野晃一郎氏がソニーと決別する意思決定の流れがつづられているの
が著書「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」である。
 ソニーの姿は、大きな成功体験で守りに入った我々日本企業の象徴的な姿か
もしれない。
 本項では、あまり多く触れるより「グーグルで必要なことはみんなソニーが
教えてくれた」と週刊ダイヤモンド「さよなら! 伝説のソニー」の二つの書
をお勧めする。

【意思決定のための5つの思考プロセス】

 日本の意思決定は世界でもケタ外れに遅いことで有名であると中島一氏は指
摘する。手続き、前例、根回し、稟議承認が原因だとされ、権限委譲や手続き
の簡素化が進められたが大きくは変わっていない。一番大きな理由は意思決定
の手順よりも承認伺いの手順が重視され、どのステップでも誰でもが反対でき
る仕組みになっており、社内調整に莫大な時間を要しているのだと述べている。
 意思決定について、いろいろな事例を前記したが、我々が時々刻々と行って
いる意思決定の手順について理論的な検証を加えてみよう。
 意思決定とは英語ではディシジョン・メイキングが該当する。ディシジョン
・メイキングの手続きとしては1970年代に開発されたケプナー・トリゴーメソ
ッドが有名である。
 これらはケプナー・トリゴー両博士が体系化した手法で、多くの偉大な人た
ちが下記手順を踏んでいることを両博士が発見したのである。NASAでも取り入
れられ、その後世界各国の優良企業で採用されている。NASAでの経験では慣れ
るまでに相当な訓練が必要であったことも付記されている。

《STEP1》目的と決定事項
     何のために何を決めたいのかを明らかにする

《STEP2》期待する成果=目標
     何を達成すれば決定事項が実現するのかを明らかにする

《STEP3》案の選択
     目標を実現するための案を複数挙げ、最適案を選ぶ

《STEP4》リスク対策
     最適案を実行する際のリスクを予測し、対策を用意する

《STEP5》実行
     選択案を実行に移し、初期の目標を達成する

【意思決定の質】

 意思決定の質を上げるため、新たな思考モードが紹介されている。
 認知科学者によると人間の思考には2種類あり、「システム1」は直感的な
思考、「システム2」は合理的思考である。
 我々は通常「システム1」の思考モードで周りの状況を理解しているらしい。
 この思考モードで生み出されるストーリーは認知バイアスを生じやすく、バ
イアスによる意思決定への悪影響は多くのビジネス・リーダーが認識するよう
になってきたことが述べられている。
 2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の権威ダニエル・カーネマ
ンらによって認知バイアスを最小限にとどめる12の質問が「認知バイアスを見
抜く12の質問 意思決定の行動経済学」として紹介されている。

《質問1》
 提案チームが「私利私欲にかられて意図的に誤りを犯したのではないか」
 と疑われる理由はないか
《質問2》
 提案者たち自身が、その提案にほれこんでいるか
《質問3》
 提案チームの中に反対意見があったか
《質問4》
 顕著な類似性が、状況の分析に大きく影響するおそれはないか
《質問5》
 信頼できる代替案が検討されたか
《質問6》
 1年後に同じ意思決定を繰り返さなければならないとしたら、どのような
 情報が必要になるか。それをいま入手できるか。
《質問7》
 数字の出所を承知しているか
《質問8》
 「ハロー効果」が見られないか
《質問9》
 提案者たちは過去の意思決定にこだわりすぎていないか
《質問10》
 基本となるケースは楽観的過ぎないか
《質問11》
 最悪のケースは本当に最悪なのだろうか
《質問12》
 提案チームは慎重すぎないか

 以上12の質問は他者の評価にかなり依存して最終判断を下さなければならな
い立場の人に役立つ。

この意思決定の質をあげるための質問事項を実行するためには、以下のような
ことに留意した「意思決定の品質管理」が必要となる。

(1)いつチェックリストを使うか
   日常的な決定事項に使うものではなく、重要案件に使用する。

(2)誰が検討するか
   意思決定者と提案チームは別々に扱うこと。
   提案段階で意見をほのめかしたりしてはならない。

(3)規律の徹底
   チェックリストの項目を、任意に選んで使用するようなことをしては
   ならない。

(4)費用と便益
   品質管理に特別な資源を投入できる企業も少ないが、意思決定の品質
   管理が好結果を導いた事例が紹介されている。

経験豊富で傑出した能力を有する経営者でも間違いを犯すことを認識できるか
どうかが最大の課題であると結んでいる。

 5月の連休中の5月4日の深夜に当たる5月5日午前1時55分~3時56分にNHKで
『新世代が解く! ニッポンのジレンマ「決められないニッポン~民主主義の限
界?~」』という意思決定に関わる番組が放映された。1970年以降生まれのみの
各界の若手知識人の論客10人を集めた公開討論会が行われていた。
 我々世代の論破型討論でなく、相手の考え方を認めながら自分の意見を堂々
と述べる討論であり、日常的な政治談議とは全く異なる視点のウイークタイ、
ストロングタイ、ノマドなどの耳新しい言葉も飛び出し、新時代にどう取り組
んでいくかを自分たちで考える真剣さと新鮮さを感じた。
 社会現象を論客がそれぞれの視点で鋭く分析し問題点に関する解決策を模索
し、議論し、意思決定をし、アクションに結び付けていこうとする動きが見ら
れた。
 瀧本哲史氏の説く、決断する時の最後の最後は主観であっても、決断した根
拠が反論に耐えられるよう、意思決定の品質を上げる努力をしていかねばなら
ない。


《引用文献》
 ・孫正義リーダーのための意思決定の極意 新書編集部 2011年 光文社
 ・サムスンの決定は何故世界一速いのか 吉川良三 2011年 角川書店
 ・武器としての決断思考 瀧本哲史 2011年 講談社
 ・グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた 辻野晃一郎
  2010年 新潮社
 ・週刊ダイヤモンド「さよなら! 伝説のソニー」2012年2月4日号
  ダイヤモンド社
 ・決断力が身につく思考プロセス術 中島一 2009年 河出書房新社
 ・ハーバード・ビジネスレビュー「最先端のビッグ・アイデア『破壊的』
  経営論」 2011年11月号  ダイヤモンド社




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