【阿波製紙】克己復礼

2012年8月24日

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  ■ AWA PAPER NEWS ■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 ┃       機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社
 ┃                    vol.92 【 2012/ 8 / 24 】
 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  https://www.awapaper.co.jp/

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 │目次│
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  ├ 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
  ├ 02:[二 ュ ー ス] 阿南事業所 阿南工場事務所の移動及び防災訓練を実施
  └ 03:[シ リ ー ズ] 技術者のエスプリ
               (第35回:GMに見る戦略時代の終焉)


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┃ ■  ご 挨 拶 ■
┃――――――――――――――――――――――――――――――――――
┃ 克己復礼
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                                                   取締役社長 三木康弘


 今年の夏はロンドンオリンピックが開催され、国家を背負った熱戦が繰り広
げられる中、日本は史上最高のメダル数を獲得するなど好成績で幕を閉じまし
た。多くの感動と良きナショナリズムを、頑張るアスリートから頂きました。

 まだまだ暑い日々は続いていますが、季節も世の中もどんどんと移り変わり、
各方面で次を見据えた動きが慌ただしくなっているように思います。心配され
ていました電力供給も峠を越えてきた様ですが、野田政権は今後のエネルギー
政策を依然決められずにいます。多面的に見た社会全体の最適を迅速かつ明確
に打ち出して欲しいものです。
 日本の外交も明確な方向性が出せずにいます。誰もが命をかけてでも家族を
守り、会社を守るように、国土を守るということに、軸をしっかり持って対処
していってもらいたいと思います。

 世の中の善悪は相対的なもので立場によって異なり、利害の対立や、異なる
価値観・認識により対立するときなどは、感情やパフォーマンス的に振舞うこ
との危うさを最近強く感じさせられます。しかし、東アジアにおいては儒教と
いう精神哲学の共有があると信じます。
 孔子は、仁の意義について「克己復礼」(私利私欲に打ち克って、社会の秩
序と調和を保つ礼に立ち戻るのが仁である)と教えています。更に実践方法と
して「礼に外れたことは視ないように、礼に外れたことは聴かないように、礼
に外れたことは言わないように、礼に外れたことは行わないように」と弟子
の質問に答えられています。

 グローバル化の時代、近隣諸国同士が礼をもってお付き合いが行われ、協力
して世界経済を牽引していければと切に望みます。私も事業の上で悩ましい葛
藤に遭遇することが有りますが、礼節を重んじて恥じることの無い言動の実践
を肝に銘じています。また、事業を通じて諸外国との友好関係にも微力なりと
も貢献することが出来るよう頑張ってまいります。



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┃ ■ 今月のトピックス ■
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 │■ トピックス 1 阿南事業所 阿南工場事務所の移動及び防災訓練を実施
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 │平成24年8月23日(木)
 │ 当社は、BCM(事業継続マネジメント)の観点より阿南事業所にて、
 │ 阿南工場事務所の移動及び防災訓練を実施いたしました。
 │ → https://www.awapaper.co.jp/company/news231.html
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┃ ■ シリーズ ~ 技術者のエスプリ ~ ■
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┃  ~ 第35回:GMに見る戦略時代の終焉  ~
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                                取締役フェロー  濱 義紹


 世界のデータの90%はこの2年間に生まれたものであると「ワールド・イン・
2012(講談社MOOK)」の中でエンジェル投資家のロン・コンウェイ氏は語って
いる。2012年に成長が期待されるのはペタバイト級の「ビッグデータ」市場と、
共有型の消費である宿泊場所の提供や自動車をシェアする「シェア」市場であ
り、エンジェル投資家が賭けに出ようとしている分野である。
 今回はあまりにも膨張しすぎた情報社会の中で、リアルタイムな情報により、
精度の高い戦略が意味をなさなくなってきたという点に視点を置き、戦略とい
う考え方をもう一度見直してみたい。

【立派な戦略が新しい変化への兆候を見過ごしてしまう危険性を】

 小山和伸氏の著書「戦略がなくなる日」では、立派な戦略があったがゆえに、
新しい戦略に乗り遅れた例がいくつか紹介されている。
 日米貿易摩擦の激しかった時代、コダックの攻勢に対し、富士フイルムは感
光度の向上にしのぎを削っていたが、コニカのストロボ内蔵カメラで事態は一
変し、フィルムの感光度はさほど高くなくてもよくなったことが紹介されてい
る。
 他には、コンピューターの出現による新しい戦略に乗り遅れた例があげられ
ている。機械式カメラのトップランナーのマミヤ光機や複雑なカムを組み合わ
せた飾り縫い技術を戦略の基本に置いた機械式ミシンのトップメーカーである
リッカーは、コンピューター技術の長足の進歩による業界の競争ルールの変更
で、コンピューター内蔵の小型カメラやコンピューター内蔵ミシンの出現によ
って回復不可能な苦境に立たされてしまった。
 戦略がガッチリしているほど、新しい波に乗れない例として、取り上げられ
た三例は、モノづくりに集中しすぎた現在の日本の企業が、国別の新たなビジ
ネスモデルを築いた韓国商品に取って代わられている様子とよく似ている。
 小山和伸氏によると「大原則に即したその統制は、混沌とした現場の状況に
明確な枠組みを与え、ブレのない基本姿勢を作り上げる一方、新しい変化への
小さな兆候を切り捨ててしまう危険性をはらんでいる。堅牢な戦略は、新しい
時代の潮流への感受性を鈍くしてしまう、逆機能があるといえよう」と言及し
ており、グランドデザインがしっかりしているほど、我々が最も注意しないと
いけない問題である。

【未完成の設計図が精度の高い戦略よりも役に立つ】

 "科学技術の応用による開発活動"と"売り上げと利益を追求するビジネス"
という二つの異質なものの折り合いが必要とされるが、加速度的に発展する技
術革新の中で、戦略はいまや、完成しない設計図のようなものとなっており、
出来上がったかと思うとすぐ修正が加えられ、不変の大方針から程遠いものと
なっていると小山和伸氏は説く。

【戦略時代の終焉】

 さらに小山和伸氏は、戦略時代の終焉について下記のように述べている。
 戦略は長期計画の限界によって生み出された概念であり、加速度的に変化す
る環境変化は、かつて長期計画を無意味化したように、戦略が過去のものとな
りつつある。環境不適応をきたした長期計画の例は、国家レベルでの長期計画
を乱発していた旧ソビエト連邦がある。長期計画は、環境は変わらないという
前提に立っているが、戦略は変化を前提としている点に大きな違いがある。戦
略とは、何らかの大目的を達成するためのグランドデザインであり、質の高い
戦略策定にはできるだけ的確な環境予測が要求される。単に未来予測をするこ
とが戦略ではない。ITの情報技術の発達は、より長期的な将来への対処を可
能にするという点で戦略形成に寄与することは確かであるが、問題はこの情報
は世界中でリアルタイムに共有されるところにある。この情報の氾濫が従来の
戦略を不可能にしているのである。そして、今日正しかった戦略が、明日も正
しいという保証はない。GMの戦略的発想は、激変する環境に適応できない戦
略に拘泥したからであり、戦略思考の代表格であったGMの破綻は戦略時代の
終焉を象徴していると。

【戦略に代わる戦律の時代へ】

 頻繁な変更を繰り返すグランドデザインとその変更を支配するトレンドは何
であろうか。
 小山和伸氏はこの戦略に代わる概念を戦律と名づけ以下のように紹介してい
る。戦略とは力量の小さなものが大きなものに対抗する際に本来の力を発揮す
るとされている。
 かつてMIS(マネジメント・インフォメーション・システム)と呼ばれた情
報革命があった。大型コンピューターからオフィスコンピューターの時代とな
り、膨大な給与計算や在庫管理をマネジメントする仕組みである。
 その後、半導体チップの高集積化により、プログラマーも不要の小型・高性
能のパーソナルコンピューターの出現により、情報革命が根本的に異質なもの
となった。これがSIS(戦略的情報システム)と呼ばれるものである。
 この情報技術は新しくいままでにない大きな競争優位を生み出しているので
ある。
 グランドデザインを揺るがす情報化時代になっても、直近の微細情報に頻繁
に変更を余儀なくされる戦略の変化を支配する根本的なトレンドを小山和伸氏
は戦律と呼んでいるのである。
 このように、基本方針が変化し続ける時代を戦略時代の終わりと捉え、戦律
の時代の幕開けであると。
 そして、基本方針を導くトレンドは、変更される基本方針の歴史の中に読み
取り、このトレンドに即して立案設計する超グランドデザインを戦律というコ
ンセプトであると説いている。

 我々は、日常的に戦略という言葉を乱発している。また、○○戦略という本
も氾濫している。長期計画、戦略、グランドデザインに次ぐ新たに提唱されて
いる「戦律」という概念を「モノづくりの超グランドデザイン」として活用し
ていきたいものだ。
 加速度的に膨張し続ける情報社会の中で、公開されていない信頼性の高い一
次情報を入手すること、膨大な情報の因果連鎖を推論すること、必要情報の解
釈や判断をすること、トレンドのわずかな変化から大きな変化を嗅ぎわけるこ
とをなど、人間の果たす役割が益々重要になる近未来を迎えようとしている。


《引用文献》
 ・ワールド・イン・2012 (講談社MOOK) 2011年 講談社
 ・戦略がなくなる日(主婦の友新書) 小山和伸 2011年 主婦の友社



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