課題を活かす

2017年12月27日

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 ■ AWA PAPER NEWS ■ 
                                                               
    機能紙・不織布の共同開発メーカー 阿波製紙株式会社        
   vol.156 【 2017/ 12 / 27 】        
                                       
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 ≪目次≫ 
       
 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
 02:[二 ュ ー ス] 「水管理の推進に関する表彰」を受賞
 03:[シ リ ー ズ] 若き日の回想 (第43回:起源への想い)

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 ■  ご 挨 拶 ■
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 課題を活かす
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                                      取締役社長 三木康弘


 2017年も残るところ後わずかとなって参りました。皆様それぞれに
一年を振り返り、来年の目標を思い描かれていることと思います。

 世界を見てみますと、協調が崩れ自国ファーストという言葉が氾濫し
従来の枠組みが大きく変化してきていることを実感した年でありました。
 日本は、外交による安全保障体制が困窮してきたり、新エネルギー活用等
による国際的な脱炭素社会への取り組みの遅れが指摘されたり、
またキャッシュレス時代へのICT対応の遅れが目立ってきた様に感じます。
加えて少子高齢化は加速度的に進み、人手不足の悲鳴が多く聞かれ、
国家財政赤字は限界に達して来ているようです。しかしこれらの問題は、
すべて解決出来る課題であり具体的な目標と捉えていけば、
悪い事ばかりでは無いのではないでしょうか。

 当社も中期経営計画に基づき成長戦略を実行していますが、色々な問題が
浮き彫りになって来ています。最大の課題は人材の育成です。
未来を切り開いていく人財は適材適所で能力を活かしきる事によって生まれ、
働き方以前の生き方を考えることが土台となると思います。次いでの
経営課題は顧客の創造です。世界に氾濫する膨大な情報の中から当社が
対応可能で解決すべき課題を見付け出し、出向いて行かなければなりません。
これには、ICTやAIといった最新のツールの応用と行動力が不可欠です。
課題に向かって真っすぐに向き合うことで、やり方を改めたり成長に
繋げられたりするならば、降りかかる困難はすべて有り難い事であります。
古来より「過てば則ち改むるに憚ること勿れ」また
「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」と言いますように、
一年を振り返り課題を熟考し、短慮に走らず未来の夢あふれる姿を
強く思い描き、新年を迎えたいと思います。
皆様にとりましても、来年が実りある成長の年となりますよう
心からご祈念申し上げます。  感謝合掌



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 ■ 今月のトピックス ■
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 ■ トピックス 1  
 「水管理の推進に関する表彰」を受賞
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 平成29年12月19日(火)
 当社は、12月19日に、徳島グランヴィリオホテルにて開催されました
 「吉野川が育んだ水文化と食フォーラム」において飯泉嘉門徳島県知事より
 「水管理の推進に関する表彰」を受けました。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/news_20171219_369.html
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 ■ シリーズ ~若き日の回想~ ■
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 第43回 - 起源への想い
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                      研究開発部 高原 豊


 それは入社して約20年が経った頃のことです。この頃までに実際に
扱ったことのある非木材パルプといえば、入社時のパルプ試験を除くと、
リンターパルプと麻パルプくらいのものでした。そこへ麻の一種である
ジュート(黄麻)と呼ばれる材料を紙用に使いこなせないかという依頼が
飛び込んできました。しかしジュートについては殆ど知らなかったので
調べてみることにしました。原産地はインドやバングラデシュで、水につけ
発酵した後に茎の表皮に近い部分(※1)靭皮から繊維を採取します。
取れた繊維を使って編んだものはヘシアンクロス、それを袋にしたものは
ドンゴロスと呼ばれています。“ドンゴロス…といえば確か小学校の
運動会のとき、障害物競争でドンゴロスに入ったままドーンドーンと両足で
飛んでいく場面があったよなぁ…”と懐かしいシーンが浮かんできました。
ドンゴロスは毒性がなく丈夫で通気性に優れているので、穀物やコーヒー豆を
入れて輸送や保管するのに使われます。ジュートという名前は
よく知らなくてもドンゴロスは昔からなじみ深いものがありました。

 麻は製紙原料にもなっているせいか、ジュート以外の他の種類についても
興味をひかれ…調べてみることにしました。まず日本でもお馴染みの
亜麻(あま)や苧麻(ちょま)は他の繊維より熱伝導が良く涼しく感じるので、
日本のような蒸暑い夏の衣料に適しています。特に亜麻はかなり昔から
愛用されたらしく、なんと紀元前のエジプト王朝時代の亜麻の服が
見つかっています。そして更に同時代と見られるミイラに巻かれた
包帯のようなものは、実は亜麻布だったのです。一方大麻(たいま)は、
バラツキ(太さ等)があるので糸にするのは難しいですが、耐久性に優れ
伸びにくいので縄や袋類に適しています。日本では昔から神聖な繊維として
崇められ、しめ縄や鈴縄等として神事にも使用されてきました。
但し現在日本では、一部を除いて法律で大麻の栽培は禁じられており、
繊維製品の生産や流通が難しくなっています。そのほか洋痲(ようま)は
ケナフとも呼ばれ、麻袋として使用されています。また最近では
CO2固定化率がより高く地球環境に優しいので、木材パルプの代替資源
(ケナフパルプ)として考えられるようになってきました。

 これまで挙げた麻は全て茎部が原料で、主に表皮に近い部分(靭皮)から
繊維を採取しています。一方、マニラ麻やサイザル麻の繊維は
葉脈繊維と呼ばれ、葉っぱから繊維を採取しています。葉脈繊維は
太くて硬いので紡績には向いていませんが、強靭で水にやられにくいので、
産業用ロープや帆布に利用されるだけでなく製紙用パルプ材としても
使用されています。たとえば、マニラ麻のパルプは繊維長が長く
強度が強いので紙幣用紙やテープ用などに最適です。

 このように現在パルプの材料となっている麻は主に葉脈繊維なのですが、
その歴史は浅いようです。もっと昔、麻が紙の原料となった起源は
一体いつ頃なのでしょうか?? それは、紙の製造法を発明した
(※2)蔡倫の時代まで遡ります。この頃の紙の材料として、
麻のぼろ布や古い漁網それに樹皮等を使っていたそうです。言い換えれば、
紙はリサイクルから始まったのです!! 
これより以前の時代にも紙に近いものはありましたが、高価なので
高級階級しか利用できませんでした。
廃材が利用できるような処理条件を含め、現在の製紙に繋がる基本工程が
蔡倫によって捻り(ひねり)出されました。
初めから出来た訳ではなく、何回ものトライ&エラーを繰り返しながら、
やっと成功したのではないでしょうか?? 
“実用化したい!! 一般庶民にも使えるようにしたい!!という彼の執念が
成功に導いたのではないか”そう想えてなりません。

 今回は麻と紙との関わり合いについて回想してきましたが、次回は
その続編でジュートの試験をしている様子を中心にご紹介していきます。
来年も宜しくお願いします。

(※1)靭皮
 靭皮(じんぴ)と呼ばれ茎の表皮のすぐ内側にある部分のこと

(※2)蔡倫
 蔡倫(さいりん)は西暦105年頃に実用的な紙の製造法を
 発明したと伝えられている


最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
ご質問、ご感想などを下記にお寄せいただけましたら幸いです。



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