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代表取締役社長

三木康弘
三木康弘

第110期(2024年3月期)の業績について

当連結会計年度における世界経済は、中東情勢やウクライナ情勢の緊迫化、米欧における高インフレと不動産市場の悪化等による中国経済低迷などから不安定な状況が続いております。

自動車関連部品市場における需要は、概ね堅調に推移しましたが、中国市場では建設土木需要の低迷により、一部建設機械・産業機械向けが影響を受けました。

水処理分離膜市場における需要は、海水淡水化プラント用途や工業用プロセス水、廃水処理用途の増加により堅調に推移しましたが、中国市場では経済低迷による影響を受けました。

このような状況下、当連結会計年度の売上高は、自動車関連資材について中国市場における主に建設機械向けのエンジン用濾材が減少し、水処理関連資材については中国市場における競争激化とそれに伴う在庫調整の影響を受け分離膜支持体用不織布が減少しました。

利益面では、原価低減活動や原材料価格の上昇に伴う価格改定に取り組みましたが、売上高の減少と労務費、生産諸経費の上昇による影響を受けました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高16,115百万円(前年同期比1,193百万円減、6.9%減)、営業利益354百万円(前年同期比21百万円減、5.7%減)、経常利益257百万円(前年同期比77百万円減、23.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は52百万円(前年同期比190百万円減、78.4%減)となりました。

第111期(2025年3月期)の見通しについて

次期の見通しにつきましては、依然として原材料やエネルギー価格の高止まりや物流コスト、労務費、生産諸経費の上昇などコスト面での影響が見込まれます。当社グループを取り巻く環境におきましては、自動車関連資材の需要は底堅く、水処理関連資材は、引き続きアジア・中東地域を中心に需要は堅調に推移しております。なお、昨年からの在庫調整につきましては、下期に向けて一巡する見込みでございます。

このような事業環境の中、当社グループは2024年度を初年度とする2年間の第4次中期経営計画「AWA Breakthrough Plan 2025」を策定しました。当社は現在、分離膜支持体用不織布を製造する新工場を建設中であり、2024年12月の完成を予定しております。今後は更なる営業活動の拡充と工場の安定稼働に向け取り組んでまいります。収益面においては、外部環境の変化に伴うコスト上昇に対応すべく、自社の生産プロセスの効率化や間接業務の自動化等、更なる生産性向上に努めるとともに販売価格の適正化に努め、収益基盤の強化を図ってまいります。

以上により、次期の業績につきましては、売上高17,600百万円(前年同期比1,484百万円増、9.2%増)、営業利益270百万円(前年同期比84百万円減、23.9%減)、経常利益330百万円(前年同期比72百万円増、28.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益150百万円(前年同期比97百万円増、186.0%増)を見込んでおります。