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【2020年2月号】春を謳歌するために

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 ≪目次≫ 
       
 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
 02:[ コ ラ ム] 生かされし使命

【 ご 挨 拶】
 春を謳歌するために   取締役社長 三木康弘

 紅白の梅の花が咲き誇り、春の訪れを楽しむ季節となりました。草木が芽生え命が再生する春、今年は殊更待ち遠しいこの頃です。

 2月3日の節分を経て立春となり、11日の建国記念日があり、23日は今年から令和時代の天皇誕生日となりました。世情にある不安や不幸な出来事も常にありますが、芽出たい時は喜び祝い、将来の事は天の思し召しとすべてを前向きに捉え立ち向かっていきたいと思います。
 とは言うものの、今流行している新型コロナウィルス【COVID-19】の影響は、中国はもとより日本にも深刻な影響が出始めて来ました。罹患された方々には、心よりお見舞い申し上げますと共に、感染拡大が一日も早く収束する事を祈念申し上げます。

 当社も中国での事業に大きな影響が発生しており、お客様への納期対応に万全を期すべく取り組んでいます。また国内でも間接的影響調査を進めるとともに、全従業員の安全確保を優先した非常事態の態勢のもと、海外渡航の自粛や出張の抑制、都会では時差出勤を勧め、会議は移動を伴わないWEBの活用促進することと致しました。既に様々なイベントや会合などが中止や延期となり、大幅にスケジュールが変更されてきています。こうなると更に地域経済は厳しくなり、米国でも株価が過去最大の下げ幅を記録するなど世界経済が動揺をし始め、世の中は益々暗くなってきます。どうしたら気分を明るく出来るのでしょうか。

 一つは、すべてを受け入れる良い意味での諦めが必要かもしれません。そして、このような事態を打開するための行動を全力でひたすら行う事が不安を霧散させてくれるように思います。朝の来ない夜は無く、心次第で苦しみも楽しみに変わります。生気が衰えなければ、すべての問題は乗り越えられると信じます。後から振り返れば、あの時があったから今があると思える意識や行動の大変革の機会になると考えます。この様に前向きな事を考え唱えていると、心が晴れて明るくなって来ます。

 新年度の事業計画もすっぱりと見直し、すべての原点である「人の幸せ」をひたすら願い、「信頼」を大切に、やれば出来ると「成功成就」を念じて、春を謳歌したいと思います。

 皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

【コラム】
 生かされし使命    阿南事業所長  日下 善文

 私たちが生活する上でなくてはならないものの一つとして「水」があります。

 当たり前のように存在する水ですが、水は生命の源であり、はるか昔に地球が誕生した時から存在し、宇宙から見た地球は青く輝き「水の惑星」とも呼ばれています。
 実際、地球の表面は約70%が水で覆われ、その量はおおよそ14億立方キロメートルと言われています。しかし、この水の97.5%は海水(塩水)であり、淡水はわずか2.5%程度に過ぎません。
 また、この淡水の大部分は南極や北極地域などの氷や氷河として存在しているため、地下水や河川、湖沼などの水として存在する淡水の量は地球全体の水の約0.8%に過ぎず、さらにこの大部分は地下水であるため、河川の湖沼などの人が利用しやすい状態で存在する水に限ると、その量は約0.01%しかありません。
 地球上の水は、海の水が蒸発してそれが雨となって降り、地上に降った雨が地中に浸透し浄化され川となって海に戻っていく循環構図ができています。

 このような地球環境のなかで、世界の人口約77億人に対して21億人が安全な水が確保できず、さらに約9億人が安全な水へのアクセスがないと
言われています。
「水へのアクセス」とは、1キロメートル以内に一人が1日に20リットルの水を確保できる場所がある、と世界保健機関(WHO)で定義されているようです。

 そこで、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)では、「すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」という目標が掲げられています。
 その中で海水の淡水化技術などの支援も訴えています。海水の淡水化技術の一つとして、通常塩分濃度差(浸透圧差)により淡水は、塩分濃度の高い海水に浸透することで均等濃度にしようとしますが、浸透膜を介して海水側から逆圧をかけることによって淡水を取り出す(分離する)逆浸透膜法があります。
 この逆浸透膜は非常にデリケートかつ膜強度が弱いため、膜を支持するための紙(支持体紙)が必要不可欠であり、弊社の阿南事業所では、この支持体紙をメイン製品として日々生産活動に取り組んでいます。

 紙を漉く(抄く)ためには水を欠かすことができませんが、奇しくもその貴重な水を利用して作り出された支持体紙が水を造り出すとは、皮肉なことなのかもしれません。
 しかし、私たちには創業以来「紙(カミ)にできないものはない」と言う可能性を信じ、根気強く失敗してもやり続けることで成功を勝ち取り、社会や地球環境保護のお役に立っていくベンチャースピリットがあります。

 これからも謙虚な姿勢で教えを乞い世界トップレベルの生産技術力を目指し、如何なる水も一滴たりとも無駄にしない機能紙メーカーとして、無くてはならない黒子であり続けたいと思います。

【引用】
 ・国土交通省
 ・国際協力機構(JICA)
 ・国際連合広報センター(UNIC)
 ・世界保健機関(WHO)