ニュース

【2020年5月号】冷静な判断と行動

メールマガジン

≪目次≫ 
       
 01:[  ご挨拶 ] 今月の社長メッセージ
 02:[  コラム ] 阿波製紙の製品・技術を世界中に
 03:[二ュース] SDGsへの取り組みについて

【ご挨拶】
冷静な判断と行動    取締役社長 三木康弘

 五月も下旬となり、4月7日に発出された新型コロナウイルスに対応する緊急事態宣言が、首都圏の1都3県と北海道でも解除となりました。日本中に安堵の気持ちが広がりつつある一方で、油断大敵との共通理解もほぼ周知されて来ました。

 日本の感染症対応は世界から称賛される素晴らしい成果を上げている様ですが、私を含め国民の多くは、何か不思議な気がしています。先進国の中で日本の医療体制はかなり脆弱で準備も出来ていなかったにも拘らず、医療崩壊を防ぎ、致死率を大変低く抑え込みました。
実は私もまったく認識していなかったのですが、この状況を冷静に予想し、多くの批判を浴びる中でも厳格にトリアージ(識別救急)がなされ、つまり軽症者にPCR検査を受けさせず、重篤者の治療に専念するという専門家の方針が徹底されたことがこの結果を生んだと言う説です。

 一方国民も政府の自粛要請という中途半端に思える対策に応え、我慢し冷静沈着に行動しました。そして医療従事者の方々の命がけの奮闘は、かけがえのない私たちの命を守り不安を和らげて頂きました。行き過ぎた行動も社会的調和作用が働き、中庸が図られている様に思います。世界から見ると、当にミラクルなのかもしれません。そして長らくの自粛生活はすっかりと生活のリズムを変えてしまいましたが、ここからは新しい日常を如何に作るか模索の日々が始まります。  

 世界経済は、第一波の感染拡大による供給停滞や需要蒸発による厳しい状況が愈々拡大し、さらに第二波へ備えも重なり、「7割経済」という言葉がひしひしと胸に迫るこの頃です。ここは冷静に現実を見据えて、一刻も早く縮小すべき所は省き、変えるべき事は勇気をもって改め、新たに未踏の領域を開拓し、一時の公的支援に頼ることなく経営を健全化していかなければなりません。正に適者のみが生存していくことになるのでしょう。
 withコロナに対応し、ビジネスもオンライン化が定着してきました。デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に馴染む努力と変化のチャンスを逃さない行動が肝要と思います。

 歴史を振り返りますと、当社は幾多の存続の危機に遭遇し、その度に変革化され発展して来ました。難事や逆境に出遭ったとき、そこから逃げず行動や実践を通して知識や精神を磨く事を事上磨練と言いますが、当社はお陰様で多くの方からの支援も頂き逆境から知恵と未来を信じる力を獲得してきたように思います。

 今このコロナ禍の中で改めて自己探求を行うと、「これからの時代に合った目指す自らの姿は何だろうか。お客様からは何を求められるのだろうか」と思いが巡ります。
 高品質・安定供給・最新情報・環境調和・適正価格等々が先ず浮かびますが、異なる切り口として、SDGs(持続可能な開発目標)を通じた社会的使命を果たす喜びや幸福感をお客様と共有し目指す事の大切さに思い当たりました。そして当社は9つの目標を設定いたしました。

(SDGsへの取り組みについて)
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/420.php


 これから新たな長期的ビジョンを掲げ、次なる逆境に備えた竹の節の如き毅さの構築を目指すとともに、心の繋がりを大切にし、全社員結束して世のため人のために貢献してまいります。

【コラム】
 阿波製紙の製品・技術を世界中に      徳島営業部長 神原 洋志

 4月に発足した徳島営業部は、分離膜支持体の拡販を中心とした機能紙営業一課と摩擦材原紙、電子部品などを製造する際に使用するクッション紙等の機能紙を拡販していく機能紙営業二課で構成されております。当営業部は他の営業部門とは異なり、生産・開発部門がある徳島に拠点を構えており、お客様の生の声をよりスピーディーに社内共有しご要望に応えてまいります。

 さて今回は分離膜支持体が大きく貢献している安全な水についてお話しさせていただきます。

 我々日本人は何不自由なく安全な水を飲み利用しておりますが、世界の多くの地域で安全な水を確保できないために人の生活、命の危険に脅かされています。
 昨年末にアフガニスタンで銃撃され命を落とされた中村哲医師は、当地の悲惨な現状を見て「医療より水だ」と水の重要性を訴えたことは記憶に新しいことと思います。自らが井戸を掘り用水路を建設した結果、感染症が激減し砂漠の緑化も進み村民を潤したと聞き、水の力の大きさを改めて痛感しました。
 またアフリカを中心とした慢性的な水不足やインドや中国でのインフラ整備が追い付かないほどの都市部への急激な人口増加と産業の集中による河川の汚染などは、衛生面に大きな影響を与えております。そして世界中を震撼させている新型コロナウィルス感染拡大問題も相重なり衛生面への関心は益々高まってくると思われ、安全な水への意識と要求も今以上に増してくるのではないでしょうか。

 当社は和紙製造から培ってきた抄紙技術を進化、発展させ、海水淡水化に代表される逆浸透膜を形成する支持体用不織布「PURELY」の開発、製造を行ってきました。当社は業界の草創期からお客様や市場とのタイムリーな対話を通じて高性能化する製品に対応した提案を行い、高品質な水処理関連商品を世の中に供給するお手伝いをしてまいりました。私たちはこのビジネスに関わっていることに誇りと強い責任感を持ち、水不足解消、環境、衛生面に対する社会的課題解決への貢献にこれからも取り組んでいきます。

 水は人や生物の生命を育み、現代の社会経済活動においても欠かせない要素であります。SDGsの開発目標にも掲げられているように、世界の抱える様々な残された課題に対しても、阿波製紙独自の製品と技術を世界中に展開し安全と豊かさを実感できる持続可能な社会作りに貢献してまいります。

【今月のトピックス】

■ トピックス 1  
SDGsへの取り組みについて
当社はこのたび、SDGsにおいて当社グループが注力する9つの目標を設定いたしました。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/info/420.php