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【2022年9月号】ブランディング

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≪目次≫ 
       
 01:[  ご挨拶 ] 今月の社長メッセージ
 02:[二ュース] 「徳島ビジネスチャレンジメッセ2022」に出展
 03:[  コラム ] 十字路で立ち止まり答えを見出す

【ご 挨 拶】
ブランディング    代表取締役社長 三木 康弘

 台風の日本列島上陸が多い季節となりました。被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。またこの27日には、安倍元首相の国葬が滞りなく執り行われました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 去る22日に政府・日銀は、1998年6月以来約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切りました。145円台を付けた対ドル相場は一時140円台まで戻しましたが、数兆円単位程度の介入では先行きの円安基調を変えることは容易ではなさそうです。為替による日本の価値暴落は、海外へ出ると実感が強くなります。知らないうちに日本人の所得や資産が目減りし、外国人からは物価がとっても安い国ニッポンとして人気の観光先となりました。

 日本の全体最適を目指すならば、目先は金融緩和を続けて景気を刺激し円安のプラス面を徹底的に活かす必要があります。アフターコロナの活発な外需を取り込む素早い対応が重要ですし、今の安い金利で資金調達し投資する事は、中長期的なニッポンの価値を上げていく為に必要不可欠な行動と思います。一方マイナス面も無視できず、長期化すると国富が流出しいよいよ貧乏な国になってしまいます。パンデミックに加えウクライナ戦争が長期化し、世界の対立・分裂・分断はさらに広がっていくと予想される中、必要な食料やエネルギー、原材料の調達不足が顕著となっていき、今後更に困難な状況になっていく事が予想されます。

 それゆえに今すべき事は、日本の存在意義や価値を高めて、知らしめ、インフレを上回る発展を実現し適正な日本の価値を定める事だと思います。かつて故安倍元首相は、「美しい国、日本」という国家像を掲げられました。道半ばではありましたが、岸田首相に新しい資本主義という名前でその精神は引き継がれていると思います。世界にとって無くてはならない国というブランドビジョンの発信であって欲しいと願います。

 企業人として出来る事は、自社の存続発展のためにその存在意義と価値を市場に認識してもらい、サプライチェーンの確保と併せて、お客様からの信用を得られる会社を作る事と思います。つまり自社のブランド価値を高める努力を続ける事です。

 当社に於きましては、事業継続計画(BCP)やサステナビリティに関する方針設定と共に、ブランディングを検討し直しています。ブランディングはマーケティングの最上位戦略と位置付け、世界に発信する自社のイメージと実現に向けたプランを明確にし価値を高めていく事とし、紙の可能性は無限大と考え、紙(KAMI)で未来を作ろうとスローガンを掲げました。100年を超える歴史の過程において、時々の市場ニーズを敏感に感じ取り、お客様と共働して商品開発を行い、課題解決し、健全な成長発展に貢献してきたと自負しております。

(阿波製紙HP)
 ⇒ https://www.awapaper.co.jp/

 今後さらにその価値をブラッシュアップする為に、人財育成に力を入れ、環境問題に本気で取り組み、透明・公平かつ迅速・果断な意思決定を行い、経営の活力を増大させて参ります。ご支援宜しくお願い申し上げます。

【今月の二ュース】

■ 二ュース 1  
 「徳島ビジネスチャレンジメッセ2022」に出展
当社は、2022年10月13日(木)~10月15日(土)にアスティとくしまにて開催されます「徳島ビジネスチャレンジメッセ2022」に出展いたします。
  → https://www.awapaper.co.jp/news/products/2022.php

【コラム】
 十字路で立ち止まり答えを見出す         執行役員事業開発部長 横田 博 

 皆さんはエリック・クラプトンのLet it grow(1974年リリース)という曲をご存知でしょうか?この曲には「十字路で立ち止まり、標識を読んでどちらに進んだらよいか教えてくれるだろうか?」というフレーズがあります。今から遡ること約40年弱前、私は大学に入り軽音楽のサークルに加入しました。このサークルでは新入生達がこの曲を先輩達の面前で合唱するというのが代々習わしでした。当時、歌詞の意味について深く考えることはしていませんでしたが、少年だった自分が大人の世界へ入っていく分水嶺になるような曲であったと記憶しています。単純で前向きなラブソングといえる歌詞なのですが、当初、マイナー調であるメロディーがサビ部分でメジャー調へ転調する凝った曲構成であることもあり、少年から大人への入り口は複雑怪奇なるものである、と当時の自分は勝手に想像していました。
Let itのitは「それ」という意味ではなく、現在の状況を示す意味を持っています。そろそろ老齢に差し掛かる自分にとってあらためてこの歌詞に込められた意味を深読みしてみると、itを現在の地球が抱える種々の課題として捉え、loveを地球に読み替えると奥の深いカーボンニュートラルを実現するための紆余曲折プロセスを暗示する歌詞になると気づきました。
もちろん、当のエリック・クラプトンは当時そのようなことを考えては
いなかったでしょう。もちろん、私のこじつけ、曲解に過ぎません!

 先のパキスタンの国土が三分の一水没したニュースの際、パキスタンの気候変動相が「パキスタンは地球を温暖化させる温室効果ガスを少量しか排出していないにもかかわらず同国が温暖化から受ける被害は甚大である。」というコメントをニュースで見て大変ショックを受けました。
温室効果ガスの発生を抑制させることについては世界で大筋合意が形成されているものの、その方法論については種々の取り組みがなされている段階です。理想は必要とする電力などを再生可能エネルギーで全て賄うことができれば良いのですが、再生可能エネルギーで全て取り組もうとするとコストや技術のハードルが課題となります。さらにここ半年間で言えば、ウクライナ紛争を契機とするエネルギー危機が、より一層地政学的な不安定要因を高めているように感じます。まさに地球に住んでいる人類は、「十字路で立ち止まり答えを見出す」という段階に立っているのではないでしょうか。

 当社含めて、これまでは大量消費の市場要求に合わせた大量生産や世界規模に渡る物流システムの構築に基づくビジネスモデルを推進し、豊かになってきました。単一の製品、商品をお客様に販売するビジネスモデルも引き続き重要とは思います。当社がお客様とガッチリ組んで一つの製品、商品を開発してきた道程は当社のコアコンピタンスとして財産となっています。しかしながら、先に述べたようなコストや技術的ハードルが高い分野に挑んでいくためには、固定化された概念を打ち破り、新たな価値創造(=新たなコアコンピタンス)を進めていく必要があります。そのために事業開発部では、お客様と着想の段階からお困りごとを共有させていただき、当社からの単なるシーズマッチングではなく、お困りごとを解決していくためのプロセスを視点に置いた「技術交流会」を行い始めています。もちろん、対象となるお客様は既存のお客様の場合もあれば、新規のお客様の場合もあります。共通しているのは種々ハードルの高いカーボンニュートラル社会実現へ向けた絶えることない挑戦です。その過程でCARMIXやM-Thermo、Purelyなどの特徴ある機能紙が変貌を遂げることもあるかも知れませんし、また、新たなブランディングが生まれるかもしれません。
それらは当社のブランディング戦略としてパーパス経営と紐づいてパーパスブランディングとして明確に出来たら幸いです。

 地球を愛し、その地球のため地球自身が成長できるよう、そして、あらゆるステークホルダーの皆さんが幸せになれるよう私は知恵を総動員して力を振り絞って「その」十字路を少しでも前進できるよう頑張ってまいります。