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衆とともに論ずべし 

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 ≪目次≫ 
01:[ ご挨拶] 今月の社長メッセージ
02:[ コラム] 小さな挑戦と未来への展望

■ ご挨拶■
衆とともに論ずべし   代表取締役会長兼社長 三木 康弘

柿の実の色が庭木に映える季節となりました。紅葉の便りも間もなくでしょうか。
先日、お茶の席に招かれ、心を込めたおもてなしと、静かで無駄のない所作に触れ、風情の極みを体感いたしました。
目まぐるしく変化する社会情勢の中で、自然の移ろいに心を寄せるひとときが、何よりの安らぎであることを改めて感じる貴重な時間となりました。

さて、現実に目を向けますと、10月21日には高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に就任し、日本初の女性総理総裁として歴史的な一歩を踏み出されました。
24日の所信表明演説では「強い経済」「強い国づくり」を掲げ、未来への不安を希望に変える力強い決意が示されました。
さらに「和を以て貴しとなす」から始まる「十七条憲法」の最終17条の一節「事独り断むべからず。必ず衆とともに論ずべし」を引用し、共に語り、共に悩み、共に決める政治の姿勢を明確にされました。
与党としての政権運営に期待したいと思います。

その後、ASEAN首脳会議で外交デビューを果たし、日米首脳会談、そして月末にはAPEC首脳会議へと立て続けに臨まれます。
「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を掲げ、サプライチェーンの強靭化、経済安全保障、自由貿易の推進など、国際社会との信頼構築に奔走される姿には、強い意志と柔軟な対話力が感じられます。
トランプ米大統領とも良き関係構築の第一歩を踏み出され、安堵しました。

国内経済は、株式市場が5万円の大台を突破し、景気回復への期待が高まる一方、金利や為替の動向には引き続き注意が必要です。
日本は人口が減少し人手不足が深刻化する中、現場では行き過ぎた働き方改革の影響も指摘されてます。
高市首相が「馬車馬のように働く覚悟」「ワークライフバランスという言葉を捨てる」と語った姿勢には賛否両論があるものの、私は現場の声に寄り添うリーダーとしての覚悟に共感しています。

当社においては、積極経営を実践し、海外売上比率は年々高まり、また原材料の多くを海外からの輸入に依存しています。
世界の企業が安定して生産を継続し、スムーズに物流が流れる環境は、事業継続にとって不可欠です。
国際情勢の変化には、有意注意で臨んでいかなければなりませんし、中長期的な安定成長には、新商品開発が重要課題です。
今当社は、自動車の静粛性を上げる吸音材の高性能化や ハイレゾスピーカー用振動板の展開、気体分離膜の開発、そしてリチウムイオン電池の熱暴走防止材の量産化などに取り組んでいます。
これらの技術は、紙の可能性への挑戦であり、「必ず衆とともに論ずべし」の教えに倣い、国内外のパートナーとの連携を大切にし、社員の力を結集して、取り組んでまいります。

環境変化の荒波の中にあっても、一服のお茶を頂戴する時のような澄んだ心持ちで、使って頂ける方に気を配り、愚直に品質向上と生産性向上に邁進してまいります。
引き続き、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 

■コラム■
小さな挑戦と未来への展望     徳島営業部 徳島営業課 原田 学人 

秋も深まり、朝晩の涼しさが身にしみる季節となりました。
私の趣味である家庭菜園も、夏野菜が終わりを迎えております。
家庭菜園を始めて早3年、毎年新しい発見と学びがあります。

きっかけは、今は亡き祖父の存在でした。祖父は畑で自給自足の生活を営んでおり、子どものころ私はよく手伝っていました。
その姿を思い出しながら、祖父の農具を借りて家の庭先でミニトマトを育て始めました。
1年目は土の問題でうまく育たず、2年目は肥料の与え方が適切でなかったため、実は育ったものの、甘みが足りないミニトマトになってしまいました。
試行錯誤の中で、ミニトマトを甘くするためには、枝葉を必要以上に茂らせず栄養を実に集中させる剪定、窒素肥料ばかりに頼らず実の糖度を高めるリン酸やカリウムを意識すること、よく日の当たる場所で育てること、そして実の数を絞って栄養を集中させる摘果が重要だと学びました。
今年はこれらを意識し、良い苗を選び、毎日丁寧に管理した結果、市販のものより甘く、味わい深いミニトマトを収穫することができました。
ここまで試行錯誤してやっとおいしくできたことで、農家の方々の偉大さを改めて実感しました。

家庭菜園の経験から学んだのは、「挑戦してみないと分からないことがある」ということです。
一歩の積み重ねが新しい発見や成果につながることを庭先での小さな挑戦から学ぶことが出来ました。

この学びは、私たちの仕事にも通じるものと考えています。
当社は1916年の創業以来、時代の変化を先取りしてチャレンジし、高付加商品をつくってきました。
これらも、「紙の可能性は無限大」という想いのもと、小さな試みや挑戦の積み重ねによって実現した成果です。
国内外の競争が激化する中、当社は新市場の開拓や事業領域の拡大、DXの推進を通じ、さらなる成長と競争力の強化に努めております。

最後になりますが、私が所属する徳島営業部についてご紹介いたします。
当営業部で取り扱っている分離膜支持体用不織布「PURELY」は、均一性・平滑性に優れ、軽量ながら高い耐久性を備え、長年にわたり世界中のお客様にご愛用いただいております。
また、生産・開発部門の近くに営業拠点を構えているため、お客様の声から課題を捉え、即座に社内に発信・共有し、関連部署と連携して改善策を提案しております。
今後は、こうした知見をDXで可視化・分析することで、意思決定のスピードと精度をさらに高め、製品の開発や最適化に活かす挑戦を続けてまいります。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

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