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万機公論に決すべし

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 ≪目次≫ 
       
 01:[ ご 挨 拶] 今月の社長メッセージ
 02:[二 ュ ー ス] 令和7年度新入社員 入社のご案内
 03:[二 ュ ー ス] 新小松島工場竣工記念式典開催
 04:[二 ュ ー ス] 軟式野球部「第47回西日本軟式野球大会1部徳島県予選」にて初優勝
 05:[二 ュ ー ス] 令和7年度還暦式開催
 06:[ コ ラ ム] 生みの苦しみ


 ■  ご 挨 拶 ■

 万機公論に決すべし    代表取締役社長 三木 康弘


 桜前線は北海道にまで到達し、当地では異例の夏日が続くこの頃となりました。
野山は赤や黄色、白に紫と百花繚乱の心躍る眺めです。
それに引き換え世界経済は、衝撃的なトランプ関税が打ち出されたと思えば
二転三転が続き、G20財務省・中央銀行総裁会議が開かれ為替については
落ち着きそうですが、先行きは不透明で見るに堪えない景色ばかりが続きます。
おかげで不確定要素を多く抱えた新年度スタートとなりました。

 しかし一番の窮状を呈しているのは、トランプ大統領であろうと言われます。
常識的な考えのブレインが去り、偏った考えのメンバーの意見ばかりで
意思決定がおこなわれ、市場の混乱を引き起こし、よくいえば柔軟に
悪くいえば方針転換の言い訳に終始しているように見えます。
中国との関税報復合戦については、エスカレートは収まっても解決の気配は
見えず予断を許しません。
日本が交渉の先頭に立っていると言われていますが、見事な決着を日本政府が
見せて世界の安定を取り戻してくれることを願うばかりです。

 「広く会議を興し、万機公論に決すべし」「旧来の陋習を破り、天地の
公道に基づくべし」という言葉をご存じでしょうか。明治維新により
徳川幕府から大政が奉還され、王政復興の大号令が発せられた時に、
明治天皇が天地神明に誓った国是の誓約「五箇条の御誓文※」にある言葉です。
日本国憲法の原点とも言われます。「広く人材を求めて会議を開き、
大切なことはすべて公正な意見によってきめましょう」
「これまでの悪い習慣をすてて、何事も普遍的な道理に基づいて行いましょう」
という事ですが、今まさに日本は、少数与党状態のなかで苦労しながら
も実践されつつある様に思います。
一方独裁的な指導者は、真逆なやり方で道理に合わない行動をとり、
世界平和や世界経済を危機に追いやっている様に感じます。

 当社においては、ガバナンス体制を整えて外部の方からの意見も積極的に
取り入れ、公正な意見を交換し、意思決定に努めています。
また社是であります「道徳経済合一」に基づく経営理念を実践し、取り巻く
リスクを拾い上げ、道理にあった適切な対処を行っていく所存です。
しかしながら、この度の突然の米国による相互関税などは想定外であり、
その影響を図るべく調査に追われているのが現状です。
当初計画を大きく変更はしませんが、気になるのはサプライチェーンの
混乱です。
手探りをしながら前進していかなければなりません。
国際政治の行方を見守りつつ、影響を最小限に留める準備を模索していきたいと
思います。

 ところで、大阪・関西万博が13日に開幕しました。
早速に見学予定を入れましたが、期間中3回ぐらいは行きたいと、
とても楽しみにしています。
コンセプトとして「未来社会の実験場」を謳い、展示をみるだけでなく、
世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を「共創」(co-create)することを
掲げています。
まさに万機公論の場であります。私達もそのコンセプトにしっかりと乗っかり、
未来社会の為に貢献できる新商品や新規事業の構想を練りたいと思っています。
是非大阪・関西万国博覧会に行って、明るい未来を共創しましょう。

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 ■ 今月の二ュース ■
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■ 二ュース 1  
  令和7年度新入社員 入社のご案内
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 2025年3月27日(木)       
当社は、3月27日に令和7年度の新入社員8名を新たなメンバーとして迎え入れました。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/7.php
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■ 二ュース 2  
  新小松島工場竣工記念式典開催
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 2025年4月4日(金)       
当社は、徳島県小松島市で建設中であった新小松島工場が完成し、4月2日、
竣工記念式典を開催いたしました。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/post_47.php
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

■ 二ュース 3  
  軟式野球部「第47回西日本軟式野球大会1部徳島県予選」にて初優勝
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 2025年4月20日(日)       
当社軟式野球部は、4月19日、徳島県鳴門市(鳴門市営球場)で行われました
「第47回西日本軟式野球大会1部徳島県予選」にて初優勝し、
5月31日~6月2日に京都府で開催される第47回西日本軟式野球大会1部への
出場権を手にしました。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/47.php
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■ 二ュース 4  
  令和7年度還暦式開催
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 2025年4月24日(木)       
当社は、4月24日に令和7年度還暦式を開催し、本年度に還暦を迎える
6名の方々のお祝いをいたしました。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/info/7_1.php
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 ■ コ ラ ム ■

  生みの苦しみ 東京営業部 営業促進課  土屋 隆明 


 米国の中央銀行の最高意思決定機関FRB(連邦準備制度理事会) はドルの
政策金利を4.25%~4.5%の幅に据え置いています。
トランプ大統領による関税率引上げのインフレへの影響がどの程度になるか
見極めがつくまで金利を引き下げないとするジェロム・パウエルFRB議長に対し、
景気対策を優先したいトランプ大統領は「今すぐ金利を下げろ。でないと
解任を検討する」と圧力、批判を強めてきました。
4月24日時点で「パウエル氏を解任はしないが」と少しトーンを下げましたが
圧力は掛け続けています。

 日本でも政府、中央銀行の間で意見の相違、摩擦はあっても米国のケース
のようにわかりやすく対立の構図が報道されることはなかなかありません。
また、これまで歴代の米国FRB議長の「顔」「個性」「業績」は常に注目を集め、
大衆に伝わるよう報道されてきたと感じます。
私も日本国民でありながら、日本よりも外国の政府・中央銀行間のドラマ的な
軋轢や中央銀行トップの個性のほうに気を取られてしまっています。
こんなことでいいのでしょうか。

 歴代の米国FRB議長の顔はなぜか自然と浮かんできます。
就任早々ブラックマンデーでタクトを振ったマエストロのアラン・グリーン
スパン氏やリーマンショックに対処し、経済を安定的成長軌道に導いた
学者出身ベン・バーナンキ氏らのように。
今回のパウエル氏は政府との距離感やトランプ氏との立ち位置、個性の
対比が絵になっていてたいへん面白いです。
米国以外ですが、金融破綻をリーマンショックの3年前に予知したとされる後の
インド中銀総裁ラグラム・ラジャン氏も印象に残っています。

 パウエル氏は、中央銀行の独立性を謳い、圧力には屈することなく、
それでも政府批判はせずに責務としての物価安定と雇用拡大のバランスを
図ることに注力しています。その忍耐力、冷静さに矜持を感じます。
一連の報道を通して政府からは独立した中央銀行の役割や金利の与える影響、
仕組みを広く皆が「そういうものなのか」と理解することになり、全体の
意識が底上げされることでしょう。
人々に身近なお金の仕組みが認識共有されるよう、トランプ氏、パウエル氏が
「舞台役者」を演じる結果となっているのかもしれません。
また、2017年来の両者間の相克、やり取り経緯は一種のドラマであると
同時に将来への生みの苦しみという大事な側面もあるのではないでしょうか。
 どんな結末になるのかわかりませんが、ドルや米国債への市場の信認低下を
招いたりしない形が世界全体のために望ましいと思います。

 当社が深く参画している自動車業界も、皆様ご承知の通り、トップ
メーカーには多くの考え方のぶつかり合い、権力闘争や離合集散があります。
その自動車メーカーを支える部品産業、サプライチェーンでも様々なプロセスでの
方針の違い、無数のせめぎあいや大小のドラマが重層的にあります。
お互い考え方や利害は対立しても、一方で抜本的原価改善など、将来価値の
目標については皆が同じ方角を向いているという面もあります。
もっとたくさんの新しい不満や不足、対立軸や将来構想を見出して課題同士を
繋ぎ合せ、共通する価値を生み出そうとする苦しみのステージに移行させて
いく必要があります。

 当社東京支店にとりましても、新規商材、既存商材とも、価値を生み出す
苦しみはこれから更に佳境に入っていくものと思います。
幸いに、当社の109年におよぶこれまでの労苦が無形資産化され、お客様から
いただく知見と共に当社の取り柄へと姿を変えていると感じます。
 営業部門としては、苦しみを議論で終わらせず成果を出し続けなければなりません。 
問題の底が見えるまで直視、俯瞰を続け、社会の未来資産形成の一翼を
担えるよう尽力いたします。

 引き続きご指導いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。