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丙午の年のスタートによせて 

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 ≪目次≫ 
       
 01:[ ご挨拶] 今月の社長メッセージ
 02:[ コラム] 2026年、皆さまと共に"新しい紙"を考える年に。

■  ご挨拶 ■
 丙午の年のスタートによせて   代表取締役会長兼社長 三木 康弘

新しい年の正月 皆様どの様にお迎えでしょうか。
旧年中は多大なるご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
本年の干支は丙午(ひのえうま)。安岡正篤先生の『干支の活学』によれば、丙午は「旧来の代表勢力が極に達し、同時にその内側から新しい反対勢力が突き上げてくる」象意を持ち、陰陽が拮抗し、潜在していた動きが表面化する節目とされます。
つまり、既存の秩序の"ひずみ"が顕わになる一年であり、組織も社会も、曖昧にしてきた課題を見つめ、選択し、設計し直す勇気が問われます。

年初から世界は落ち着きを失っています。
グローバリズムやポリティカル・コレクトネスを投げ捨てた米国は、新年早々にベネズエラ国内で軍事作戦を実施し、大統領夫妻を拘束したと発表しました。
この作戦は国際法や主権侵害の議論を呼び、国際社会は緊張を強めています。
加えてグリーンランドの「米国の所有」主張が国際的な摩擦を生んでいます。

一方ダボス会議(WEF 2026)では、カナダのカーニー首相が、世界は今「移行ではなく断絶(rupture)のただ中」にあり、各国が"妥協して従う"だけでは安全は得られないと指摘しました。
そのうえで、強国の圧力に左右されない中堅国同士の連携が新たな秩序の基盤となると述べ、大きな注目を集めました。
また、フランスのマクロン大統領も国際法と多国間主義の再構築を強調し、欧州の自律性と協調の両立を示しています。
古来より平和と誠実さを重んじて助け合う惻隠の文化を持つ日本こそが、「法に基づく国際協調の中心」に立つ責務を負うべきと思うこの頃であります。

そのような中日本国内では、高市内閣が衆議院を解散し、1月27日公示・2月8日投開票という異例の短期決戦へ突入します。
物価高対策や財政再建といった内政問題が争点の中心となる一方、国際情勢が激変する今年こそ、外交・安全保障の方向性に関する議論も
盛んに交わしてほしいものです。

当社は今年、創立110周年を迎えます。
次の節目である120年に向け、これからの10年間を「第4創業の準備期」と定義し、本格的な再設計に着手いたします。
まず、本年は「既存事業を自ら変える年」と位置づけ、製造技術、市場戦略、生産体制の刷新を同時並行で進めます。

他方長期ビジョンを考えるキーワードは、サーキュラー・エコノミー(循環経済)の思想です。
エレン・マッカーサー財団が示す三原則、(1) 廃棄と汚染を出さない設計、(2) 製品・素材を可能な限り高い価値で循環、(3) 自然の再生などは、製紙会社が長年培ってきた思想と極めて親和性があります。
紙は本来、再生・循環を前提とした素材であり、それ自体が環境価値を生む"循環型マテリアル"です。
当社はこの特性を踏まえて、機能材の設計段階から循環性を織り込むプロダクトデザイン、工程スクラップの完全クローズドループ化、バイオ由来・再生素材の活用拡大、顧客や社会と連携した回収・再資源化スキームの構築など、環境価値創出を軸とする事業を、みんなで考え知恵を出し合い行動していきたいと思っています。
また同時に、水処理等分離膜支持体、EV向け軽量・吸音材、音響材料、LiB熱暴走抑制材など、当社の技術領域を横串で再整理し、中長期ビジョンとして再構築していきます。

丙午は「燃え盛る年」ではなく、曖昧を照らし、選択を迫る年です。
世界の不確実性が増す中だからこそ、私たちは不変の理念である正直、誠実、共栄、そして社会的弱者へのまなざしに立ち返り、地球環境や社会構造の変化に対し、企業としての具体的な行動で応えていきたいと思います。

2026年を「新たな行動の元年」と位置づけ、邁進してまいります。
本年も、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

■コラム■
 2026年、皆さまと共に"新しい紙"を考える年に。 研究開発部 価値創造課 リーダー 伊月 義則

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2026年は、サステナブルな素材と革新的な技術を融合させ、製紙の新しい価値を創造する年にしたいと考えております。
私たちが目指すのは、環境負荷を低減しながら、より高機能で皆さまのお役に立てる紙を生み出すことです。
どんな素材や技術が未来の紙を変えるのか、皆さまと共に考え、挑戦してまいります。

私は長年、研究開発に携わり、常に新しい素材・技術・機能を追求してきました。
しかし近年では、単に高機能であることが価値を生む時代ではなくなり、コスト・品質・使いやすさなど、実際の使用場面に即した製品でなければお客様に選ばれない時代へと移り変わっています。
今後は、お客様の課題に寄り添ったものづくりが一層重要になると感じています。

一方で、地球環境を守るためのサステナビリティやカーボンニュートラルへの取り組みは、製造業においても不可欠です。
環境負荷を抑えつつ、機能性を備え、循環利用できる製品を生み出すことが社会的に求められています。
当社では、天然由来のセルロースパルプから石油由来の有機繊維や無機繊維まで幅広い原材料を使用していますが、今後は原料のリサイクルやバイオ由来の繊維への転換が必要になると考えています。
さらに、廃棄後の環境影響を考慮した生分解性や海洋分解性を持つ素材の活用も、適用場面に応じて重要になってくるでしょう。

機能性を向上させる手段についても、高付加価値原料に頼ったモノづくりから、最善で且つ最小で機能最大化を図る方向へシフトする必要があります。
その中で、ナノファイバー素材やナノ粒子素材は、機能向上を補完する有用な素材として注目されています。さらに、天然セルロース繊維を出発原料にできるだけでなく、廃材や農業残渣なども原料として活用可能であり、
カーボンニュートラル且つサステナブル素材として大きく商品製造に役立つものと想定されます。

2026年も、こうした課題に真摯に向き合い、皆さまと共に未来の紙づくりを進めてまいります。
引き続きご支援・ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。