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古きを温ねて新しきを考える

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 ≪目次≫ 
 01:[ ご挨拶] 今月の社長メッセージ
 02:[二ュース] 「ビジネスチャレンジメッセTOKUSHIMA2026」に出展
 03:[ コラム] EV用断熱材開発の舞台裏

■  ご挨拶 ■
古きを温ねて新しきを考える   代表取締役会長兼社長 三木 康弘

台風の襲来が続くなか、朝夕には秋らしさを感じる季節となってまいりました。
気候変動の中で、皆さま、災害への備えは大丈夫でしょうか。
世界に目を向けますと、米国では中間選挙を控え、政治・経済をめぐる動きが激しさを増し、日本においても物価対策や税制、成長戦略について様々な
議論が続いています。

AI・半導体、エネルギー、GXなど、これからの産業を左右する分野への投資も世界規模で進んでおり、イーロン・マスク氏のような時代を切り拓くイノベーターの動きを注視するとともに、大きな潮流を見定めることが極めて重要になっています。

当社でも日本成長戦略に示された17の戦略分野に対し、産業を支える安心・安全・安価な機能素材メーカーとして、技術や事業との接点を捉えるべく
鋭意活動しています。
ところで先般、経済界の会合で奈良を訪れ、今年7月に世界遺産に正式登録された古代遺跡群「飛鳥・藤原の宮都」を視察する機会がありました。
古代の宮跡やキトラ、高松塚などの古墳群を巡り、日本という国が形づくられていった時代に思いを馳せました。学んだ歴史も、実際にその地に立つと、まったく違った感慨を伴って迫ってきます。
7世紀の日本は決して穏やかな時代ではありません。645年の乙巳の変と、その後の大化改新に象徴される激しい政争があり、663年の白村江の戦いでは、
倭国・百済復興軍が唐・新羅連合軍に大敗しました。

そのような激動する東アジア情勢の中、当時の人々が、まさに必死の思いで大陸から制度や文化を学び、それを取り入れながら律令制度や都を整え、独立した国としての形を懸命につくろうとした姿が、飛鳥の地に浮かんで見えるようで胸が高鳴りました。
古代の国家形成と現代を重ねることはできませんが、外部環境が大きく変化するとき、外から学び、自らを変革し、新しい仕組みをつくり、次の時代へ進む姿は大いに刺激となりました。

現代の大きな変化の一つは、生成AIではないでしょうか。
AIは驚くべき速さで進化し、仕事の進め方そのものを変え始めています。
一方、デジタル化が進めば、サイバー攻撃や情報流出など新たなリスクが迫り、備えが急務となってきました。
だからといって、リスクを恐れてAIの活用を止めることも、企業にとって大きなリスクだと思います。

当社でも社員へのAI教育と業務での活用を進めています。
AIで何ができるかを考える段階から、AIによってどれだけ時間を創り、その時間で何を生み出すのかを競い、変革をどれだけ早く実現できるかという「時間軸の競争」が、すでに始まっているように思います。
もちろん、速さだけを求めてもいけないと考えています。
私たちは、製品だけではなく、仕事の質、判断の質、そしてお客様や社会との信頼を高めていくことを目指しています。
お客様やパートナー企業の皆様と共に、環境負荷を減らすことはもちろん、水、エネルギー、モビリティなどの社会課題に、私たちの素材と技術をどのように活かし、貢献できるのかを考えていきたいと思います。

歴史に学ぶということは、単に過去を懐かしむことではなく、そこから未来を考えることなのだと思います。
千年先の未来のために、小さくとも確かな一翼を担える企業であり続けたいと思います。
引き続き、皆様のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。


 ■ 今月の二ュース ■

■ 二ュース 1  「ビジネスチャレンジメッセTOKUSHIMA2026」に出展
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2026年10月26日(月)       
当社は、2026年11月12日(木)~11月14日(土)にアスティとくしまにて開催されます「ビジネスチャレンジメッセTOKUSHIMA2026」に出展いたします。
 → https://www.awapaper.co.jp/news/products/tokushima2026.php
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 ■コラム■
EV用断熱材開発の舞台裏  研究開発部 研究開発二課リーダー 湯本 明
                        
【EVシフトを見据えた、新たな挑戦】
自動車業界は今、内燃機関(エンジン)から電動化(EV)へと大きく移行する、歴史的な「潮目の変化」の渦中にあります。
私たち阿波製紙もまた、自動車業界のBEV(バッテリーEV)シフトという大きな環境変化に直面する中、エンジン用フィルターという既存の主力事業に甘んじることなく、未来に向けた製品開発を進めてきました。
その結実の一つが、車載リチウムイオンバッテリーの熱暴走を防ぐM-thermo断熱材です。

【主力製品を襲う「エンジン消滅」の危機感】
長年、当社の成長を支えてきた主力製品は、自動車のエンジン用濾材(エアフィルター・オイルフィルター・フューエルフィルター用の紙)や、オートマチック車(AT)のクラッチ板に使われる摩擦材です。
これらはガソリン車になくてはならない重要部品であり、当社は高い市場シェアを誇ってきました。
しかし、100%電気で動くBEV(バッテリーEV)には、エンジンもトランスミッション(AT)も搭載されません。
つまり、EVシフトの進展は、これまでの当社のメイン市場が中長期的に縮小していくことを意味していました。
この強い危機感が、当社を新たな挑戦へと突き動かしました。

【開発現場の苦慮とブレイクスルー】
EVのバッテリーパック内部は、スペースの制約が極めて厳しい世界です。
万が一の熱暴走(火災)の連鎖を防ぐ高い断熱性が求められる一方で、「分厚い断熱材ではスペースが足りない」という相反する壁が立ちはだかりました。
研究開発二課では、多様化・高度化するお客様の性能要求に頭を悩ませ、苦慮する日々が続きました。
しかし、その壁を乗り越える原動力となったのは、社内に受け継がれる独自の「抄紙技術」「加工技術」「評価技術」でした。
それらの技術を極限まで突き詰め、無機繊維と無機粉体を均一にシート化することにより、「1ミリ以下」という圧倒的な薄さと、1000℃の火炎にさらされても形状を崩さない驚異的な保形性を両立した断熱材を生み出すことに成功しました。
さらに「紙」だからこその軽さやしなやかさは、従来の重く硬い断熱材にはない「加工のしやすさ」という強みも生み出しました。

【そして未来へ】
車載品質という厳しいハードルをクリアできた背景には、お客様との緊密な連携、そして全社を挙げた迅速なサンプル対応がありました。
そして現在では、スタンダードな「I-30F」「I-80F」だけでなく、高密度化した「R-10H」「R-30H」、より優れた断熱性を備えた「I-50L」「I-100L」、耐火性に優れた「R-30M」などを開発しております。
今後もお客様の声を起点として、ラインナップを拡充し、その魅力を発信し続けてまいります。