評価技術

当社では、様々な評価技術を用いて、最終商品のニーズに応じた信頼できる製品を提供します。

原質試験

繊維や粉体の分散性、繊維長の測定、紙の強度などの原質試験を行い、抄紙適性の見極めを行います。

繊維長分析測定

繊維の長さを測定することにより、ばらつきを確認し、紙の強度など抄紙適性の見極めを行ないます。

複数の繊維を組み合わせることにより繊維それぞれがもつ特性を活かした製品にすることができます。

使用原材料

パルスNMR粒子評価装置

粉体の濡れ性・親和性・濃厚分散試料の分散凝集状態が評価可能です。

当社では、ナノサイズの繊維の繊維径や繊維長を特定する代替評価として使用します。

ナノコートフィルターメディア

離解度試験

主にパルプを攪拌粉砕することで分散性を調査し、抄紙適性の見極めを行います。

叩解度試験(フリーネス)

試験ビーターで叩解した原料の叩解度を測定し、原料の特性や抄紙適正の見極め、物性への影響を確認します。

分析

原材料の同定や性能評価、また、環境負荷物質の調査など、様々なニーズに自社分析及び分析機関への依頼等により対応します。

走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散型X線分析装置(EDX)

製品や原材料である繊維、粉体などの表面状態や微細構造などを観察するために使用します。また、EDXはサンプル中の元素を高精度で検出可能です。

木材パルプ、炭素繊維、黒鉛、活性炭、タルク、珪藻土、アラミド繊維、ガラス繊維等を添加することにより様々な機能を付加することができます。

サーマルマネジメント材料(M-thermo)

炭素複合材料(CARMIX)

無機粉体混抄紙

高機能繊維紙

赤外分光光度計(FT-IR)

有機化合物や一部の無機化合物の同定に使用します。異物の同定、フィルムやコート剤、繊維、バインダーなどの同定ができます。

紫外可視分光光度計

紫外及び可視領域の波長の光を用いて溶液の定量分析を行ったり、フィルムの透過スペクトルや一定波長における透過率の測定などに使用します。

示差熱分析装置(DSC)

調節された条件のもと加熱、冷却して、得られた基準物質との温度差やエネルギー差を測定することにより、有機化合物や無機化合物の熱安定性、融点、ガラス転移温度などの情報を知ることができます。

主に合成繊維を分析することで、最適な温度下での抄紙条件や加工条件の設定に役立てています。

合成繊維紙

イオンクロマトグラフ(外部委託)

イオン性物質を分離するクロマトグラフで、当社では、シートの抽出液中の無機イオンの分離定性などに使用します。

ガスクロマトグラフ(外部委託)

ガスの成分を分離するクロマトグラフで、当社では、ガス吸着シートなどの評価や雰囲気中のガスの定性、定量に使用します。

X線回折分析装置(外部委託)

結晶構造をもった無機化合物(鉱物等)、有機化合物の同定に使用します。

GC-Mass(外部委託)

ガスクロマトグラフィーと質量分析を組み合わせた分析法で、混合物の同定、定量ができます。紙からの発生ガスの同定、バインダーなどの紙用薬品の評価等に使用します。

特性試験

熱特性

熱の変化による製品のサイズや強度などの測定や材料の燃焼性試験などにより、様々な熱特性を調べます。

熱間強度測定

熱雰囲気中250°Cまでの引張強度を測定します。お客様でPVC等の熱加工が必要な場合、その加工適正を確認するために行います。

熱伝導率測定装置TciMaxk

熱線法による非破壊試験で、前処理なしで固体・粉体・ゲル・液体の熱伝導率(0~500W/m・K)が測定可能です。

主に炭素材料の熱伝導率を測定することで、目的や用途に合った伝導率のシート設計・提案が可能です。

サーマルマネジメント材料(M-thermo)

炭素複合材料(CARMIX)

熱伝導率測定装置Xeフラッシュアナライザー

材料の放熱性または断熱性の指標である熱拡散率(0.01~1,000㎜2s-1)/熱伝導率の測定が可能です。

主に炭素材料の熱拡散率を測定することで、目的や用途に合った放熱性や断熱性のシート設計・提案が可能です。

サーマルマネジメント材料(M-thermo)

炭素複合材料(CARMIX)

不燃試験

建築基準法に準じた方法で、材料の燃焼性を調べます。加熱された炉内に材料を入れたときの温度の上昇により不燃性を評価します。

難燃試験(ドイツ国家規格DIN)

ドイツの国家規格DIN53438に準拠した難燃性の評価が可能です。

酸素指数測定(LOI)

材料が燃焼を継続するのに必要な酸素濃度数値を測定します。数値が大きいほどその材料は燃えにくいということになります。

熱寸法安定性測定

温度が変化しても材料の寸法が変化しないことを確認します。ある温度雰囲気中に材料を放置し、一定時間後にその寸法を測定します。

熱傾斜試験

5個の熱源に温度傾斜をつけ、材料を熱プレスしたときのヒートシール性(温度、圧力条件等)を調べます。

サーモグラフィー

シートの中の熱の挙動や分布状態を測定します。熱分布を画像化することができます。

化学特性

シートへの水分や油の影響などを調べます。「耐水」「吸水」「撥水」など、様々な特性を調べます。

耐水強度試験

シートを水につけたときのシートの強さを調べます。一定時間水に浸漬した後に引張強度を測定します。シートによっては、浸漬する水の温度を変える場合もあります。一般的には、紙は水に弱いため、水に強い材料を使用したり、薬品の添加や加工によってシートに耐水強度を与え、含浸やコーティング、または水中での使用に耐えることができるようにします。

吸水試験

シートを水につけ、一定時間の間に水が浸透した距離を測定し、水を吸水する程度を調べます。

撥水性試験

表面濡れ性と関係する特性で、水をはじく性質のことで、斜めにしたシートに液体を落とし、液体の粒の転がり方で評価する方法や、シートと水の接触面の角度(接触角)を測定して評価する方法があります。シートに撥水機能を付与するには、表面に撥水剤をコーティングしたり、疎水性の素材を使用したりします。

耐水寸法安定性試験

シートをある一定時間、水に浸けた後のシートの寸法変化を測定します。
シートは水や湿度の影響を受けて膨張や収縮を起こしますが、この変化が少ないものが耐水寸法安定性に優れていると言えます。水や湿度の影響が重要である建材等で必要な物性です。

濡れ試験

シートの表面の濡れやすさを、シートの液体に対する表面張力を測定することより調べます。濡れ性は、印刷におけるインクの乗り易さ、コーティング液や接着剤の保持等に重要な物性です。

耐油試験

油に一定期間浸した後のシートの引張強度、破裂強度を測定等を測定し、油に対するシートの強度を確認する試験です。シートの用途によって、油の温度を上げて耐熱油性を調べる場合もあります。

吸油試験

一定の大きさのシートが吸収する油の重さを測定して、シートが油を吸収する程度を調べます。溶剤系の液体の含浸や印刷適性の付与を検討する際に関連する試験です。

電気特性

炭素繊維や導電性材料を配合したシートの特性を評価するために、用途に応じて様々な電気特性を調べます。

導電率測定

導電率(電気伝導度)は水に含有する電解質の量を表す指標で、製紙にとって重要な役割を果たす水の汚れ具合の判断に使用します。

静電気測定

シートに外部から10000Vの静電気を与えたときに、シートが保持する静電気が半分に減衰する時間(静電気半減期)の測定をすることが出来ます。

電気抵抗測定

電気抵抗には、表面抵抗と体積固有抵抗がありますが、当社では表面抵抗の測定を行います。鉛蓄電池用セパレーター用原紙を製造しており、セパレーターの特性評価も行っています。

電磁波シールド測定(外部委託)

様々な障害を与える電磁波から反射や吸収によるシールド効果を確認します。

光学特性

光がシートを透過しない程度である「不透明度」や耐光性など光に関する特性を調べます。

不透明度測定

光がシートを透過しない程度を測定します。規定の白の標準板の上に紙をセットしたときの反射率と規定の黒色板の上に紙をセットしたときの反射率の差の比で表されます。印刷用などシートが透き通らないことが必要なシートで重要な測定です。

耐光性(耐候性)測定

紫外線など光に対する耐性を測定します。
太陽光に近い波長分布を示すキセノンランプ等の強い光を照射することにより実際よりも、短い時間で寿命を想定できます。光に加え水を接触させると耐候性の評価も可能です。場合により公的機関等に依頼して評価しています。

力学特性

シートを破裂させるために必要な圧力、繰り返し折り曲げたときの耐久性など、力学特性を調べます。

万能引張試験

一定形状の長方形試験片(幅15mm)に破断するまで張力を加えたときの最大荷重、伸び等を調べます。万能引張試験機で測定し、シートの基本物性の一つです。

破裂強度試験

シートの破裂の強さを調べます。
周囲を固定した状態で、シート面に対し一定の面積に垂直に圧力を加えたときにシートを破裂させるのに要した圧力を測定します。

引裂強度試験

シートを引裂いたときの抵抗力を調べます。当社では、エルメンドルフ式引裂試験機を用いて測定します。

耐折強度試験

シートを引張状態で、繰り返し折り曲げたときの耐久性を調べます。当社では、MIT型耐折試験機を用いて測定します。

剛度試験

板紙等の折り曲げ強さを調べます。ティッシュペーパーなど柔らかい紙には使用できません。当社では、ガーレー柔軟度試験機を用いて測定します。

リングクラッシュ試験

シートの座屈強度を調べます。ダンボール原紙やハニカム用途に使用するシートの圧縮強度は、リングクラッシュ試験機で測定します。

表面特性

シートの表面と平滑に研磨された標準面を一定の面圧で測定する平滑度試験、ワックスによる表面強度試験(ピッキング)で表面特性を調べます。

平滑度試験

シートの平滑度を調べる試験です。
シートの表面と平滑に研磨された標準面を一定の面圧で接触させたとき、隙間から流れる空気量10ccの通過時間で表されます。通過時間が長いほど、平滑性があるということになります。

ピッキング(ワックス表面強度試験)

シートの表面強度を調べる試験です。
粘着力の差のある20種類のワックスの棒先を溶融しすばやく試験片の表面に接着させます。冷え固まった後(15分間放置)、ワックス棒を試験片に垂直に引き剥がしたときにふくれや破れ、紙むけなどが生じない限界のワックスナンバーにより、表面強度が表されます。

フィルター特性

気相フィルターや液相フィルターについての効率、寿命(LIFE)及び濾過制度(各粒子径毎の除去率)について測定します。

エアーフィルター評価

エアエレメントを作製してダストと空気の混合物を濾過し、フィルターの寿命と効率を測定します。エレメントの他に平板での評価も可能です。

目的や用途に合ったろ過効率、寿命を有するエアフィルター用濾材の設計・提案が可能です。

エアフィルター用濾材

オイルフィルター評価

オイルエレメントを作製してダストとオイルの混合物を濾過し、フィルター寿命と効率を測定します。

目的や用途に合ったろ過効率、寿命を有するオイルフィルター用濾材の設計・提案が可能です。

オイルフィルター用濾材

フューエルフィルター評価

軽油等の自動車用燃料にダストを混ぜて濾過し、濾過後の燃料の清浄度を測定します。エレメントの他に平板での評価も可能です。

目的や用途に合った清浄度、寿命を有するフューエルフィルター用濾材の設計・提案が可能です。

フューエルフィルター用濾材

マルチパス試験

液体フィルターの性能試験機で粒子除去物性(効率)及び、圧力損失(ライフ)の測定を行います。
効率については各計測粒径ごとの粒子をカウントし(カウント法を採用)自動計算によりデータ作成を行います。

ろ過対象となる粒径のろ過効率を測定することで、目的や用途に合ったオイルフィルター用濾材、フューエルフィルター用濾材の設計・提案が可能です。

オイルフィルター用濾材

フューエルフィルター用濾材

パラス試験

エアフィルターの性能試験機で粒子除去効率、及び粒子捕捉量(DHC)の測定を行います。
効率については各計測粒径ごとの粒子をカウントし、自動計算によりデータ作成を行います。

ろ過対象となる粒径のろ過効率を測定することで、目的や用途に合ったエアフィルター用濾材の設計・提案が可能です。

エアフィルター用濾材

通気特性

シートに対する空気や湿度などの通気特性を調べます。

透気度試験

一定面積、一定圧力下で容積300ccの空気が通過する時間を測定します。
各種フィルターや通気性シート素材の性能評価を行います。

透湿度試験

シートの単位面積で1日当たりの湿度透過量を測定します。
湿度に関係のある結露防止機能や吸湿剤包材等の特性を評価するために利用します。

環境評価

シートの物性評価は湿度などの影響を受けるため、一定の雰囲気で評価できるよう恒温恒湿室で測定します。また、ある一定の条件下での試験が必要な場合、恒温恒湿槽を使用します。

恒温恒湿室

シートの物性評価は湿度などの雰囲気の影響により、強度等が異なってくるため、一定の雰囲気で評価できるよう、恒温恒湿室で測定しています。JISで指定された温度23°C、湿度50%の環境で常にコントロールしています。

恒温恒湿槽

ある一定の条件下での試験が必要な場合使用します。例えば、温度80°C、湿度80%といった厳しい条件下に放置したときの、引張強度や剥離強度を測定したいときなどに恒温恒湿槽を利用します。

恒温槽

ある一定の温度条件下での試験が必要な場合使用します。低温から高温(-40°C~100°C)までの、経時的、温度サイクル時の耐久性を測定することができます。

当評価技術に関するお問い合わせ